◆国土交通省 着荷主に対して貨物自動車運送事業法に基づく初めての「勧告」
トラック運転手に長時間の「荷待ち」をさせている疑いがあるとして、国土交通省は12月23日、西日本を中心にディスカウントストアを展開する倉敷市の大黒天物産に、貨物自動車運送事業法に基づく是正勧告を行ったと発表しました。
「荷待ち」は荷主のもとに到着してから荷物の積み下ろしをするまでの間、ドライバーが待たされることで、長時間労働につながる恐れがあります。
国土交通省は2025年10月、11月を取り締まりに当たるトラック・物流Gメンによる「集中監視月間」と位置づけ、適正な取引を阻害する疑いのある荷主や元請け事業者への監視を強化していました。
国交省によりますと、大黒天物産については2023年9月に、貨物自動車運送事業法に基づく是正を「要請」(この時、社名は非公表)していましたが、「要請後もなお、違反原因行為をしていることを疑うに足りる相当な理由がある」と認め、「要請」の次の段階の「勧告」を行い、社名を公表しました。国交省が着荷主に対してこの法に基づく「勧告」を行うのは初めてです。
国交省は大黒天物産に対し、違反原因行為の早急な是正を促すとともに、改善計画の提出を指示しました。
◆大黒天物産はお詫びのコメント発表「信頼回復に努めてまいります」
大黒天物産は「物流業務を支えていただいている運送会社をはじめ関係者の皆様方には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。この度の「勧告」を受けたことを真摯に受け止め、トラック運送事業者の皆様方の長時間労働防止に向けて、取り組みを強化し、関係各位の信頼回復に努めてまいります。」とのコメントを発表しています。