これまでの知事による「直指定」から「公募」に変わる県立施設の運営団体がより良質なサービスを利用者に提供するため22日、有識者との懇談会が開かれました。

高知県は牧野植物園など年間5万人以上が来場する5つの県立施設の運営団体を今後、知事の直指定から公募へ変更することを決めています。公募にすることで剰余金返還などの制約をなくし、自主事業で得た収益で満足度の高いサービスの提供や職員の処遇改善などを図ってもらう目的です。

その第一歩として県は、収益アップの方法について大学関係者ら有識者が施設側に助言する懇談会を開催。1回目は県立美術館と牧野植物園の関係者が出席しました。

まず美術館の安田館長が現状や課題について「本来の機能である収蔵品の保存修復に予算を回しづらい」ことや、展示会によっては採算が取れない場合もあると説明しました。

県立美術館・安田篤生 館長:
「県民の皆さんに質の高い芸術に触れていただく機会を提供する、かけるべきコストはかけなければいけないのではないか。そこを忘れてひたすら収支の帳尻だけみるとジリ貧にしかならないと考えます」

県立施設運営活性化懇談会・石塚悟史・会長:
「学芸員を含めた皆さま方が長中期的なビジョン、ありたい姿、こういうことをやりたいんだというところを一緒にビジョンを作っていく行程が絶対必要かなと思います。やりたいことが実現できると幸福度が高まり生産性も高まるのは間違いない」

安田館長は収益アップへの取り組みについて、サポーター制度や賛助会員制度を創設して年会費などの支援を得る他、オリジナルグッズの製作・販売などを考えていると説明。

委員からは「展覧会事業ではまずもうけられない。継続的に売れるグッズなど美術館の価値を見直して高めることが大事。移住政策と連動し高知のファンづくりに取り組んでほしい」との意見が出されていました。

美術館と牧野植物園は22日の懇談会を踏まえて収益アップの計画案を作り、3月の懇談会に提出する予定です。

高知さんさんテレビ
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