北海道の人気行列店に密着するシリーズ「満席メシ」。

 今回訪れたのは、札幌駅近くのホクレンビルの地下にある「奥芝商店 駅前創成寺店」。

 2006年の創業から人気が続き、今では札幌スープカレーを語るうえで欠かせない代表格になりました。

 会社員から観光客まで幅広い層に愛され続け、時間帯によっては行列が伸びることもしばしば。

 駅前で賑わい続ける人気店のヒミツに迫ります。

 奥芝商店の「定番メシ」は、「やわらかチキンレッグのスープカレー」。

 ほろっと身がほぐれるほど煮込まれたチキンレッグが主役の一皿。香り立つスープに肉のうま味が染み渡り、彩り野菜とともに最後の一口まで心地よく楽しめます。

 そんな奥芝商店の最大の特徴は、毎朝約2000匹のエビの頭を使って仕込むスープ。

 開店1時間30分前から始まる仕込みでは、エビの頭を野菜とともに約2時間かけてじっくり煮詰め、甘みと風味を最大限に引き出します。

 このエビスープには、創業者・奥芝社長のある思いが込められているそうで…。

 祖母が昔作ってくれた味噌汁のだしの味にインスパイアを受け、なんとかカレーに組み込めないかというのが“エビスープ”の始まりでした。

 厨房内では、野菜のカットが続きます。

 1日に届くキャベツの量は、なんと18玉!お客さんからは「スープより野菜が多くておなかいっぱい」という声がよく聞かれるそう。

 開店前の鉄板では、ハンバーグが焼かれています。ランチで出るハンバーグはなんと50個弱!観光客に人気の海鮮系を焼くために、先にハンバーグを焼いて、鉄板を空けておくのがポイントなのだそう。

 「まかないでも食べたりするんですけど、スタッフにもハンバーグが一番人気。一般的なハンバーグよりもジューシー。味はしつこくなくて、カレーのスパイスにあってめちゃくちゃおいしいです」(従業員)

 店内を見渡すと、和テイストなものがたくさん。

 ここにもこだわりが…。

 「お店のコンセプトがお寺。古き良き日本のようなデザインにしている。ご飯を食べるだけでなく、アトラクションの1つのような。楽しんでもらいたい」(石川智章店長)

 開店10分前。近所のラーメン店にも行列ができる中、「奥芝商店」にもたくさんの列が。

 午前11時に奥芝商店がオープン。開店から15分もたてば、すでに席の約8割は埋まっています。

 厨房の様子をのぞいてみると…。

 厨房では一つの火で4つの鍋を同時に温める技が炸裂し、次々と注文をさばいていきます。

 自慢のハンバーグも煮込まれて、カレースープのもとへダイブ!

 ハンバーグを使った「おくしばーぐのスープカレー」が売れていきます。

 肉汁あふれるフワフワ食感。

 スプーンを入れた瞬間に、濃厚な肉汁があふれ出す。

 スープとの相性も抜群で一口ごとにうま味が重なっていく「おくしばーぐのスープカレー」。

 エビの香りが漂うスープがおいしさを引き立てて、最後まで夢中になる逸品。

 「食べ応えがあって、ふわふわ。カレーにめっちゃ合っておいしいです」

 「やっぱりエビスープ。他にはない」(いずれも客)

 海の幸をふんだんに使った「海賊船の賄い!豪華海鮮鉄板焼きスープカレー」も人気メニューの一つ。

 お店の代名詞であるエビはもちろん、海の幸をふんだんに使ったぜいたくなスープカレー。

 牡蠣のうま味や岩のりの風味が重なり、一口ごとに海のご馳走が広がる豪華な海鮮鉄板焼きスープカレーです。

 そして、開店から45分で満席になりました。

 こちらが「奥芝商店 駅前創成寺店」の注文ランキング。

 スタッフにも人気の「おくしばーぐ」が「やわらかチキンレッグ」をおさえて1位。豪華海鮮も3位にランクインしています。

 根強い人気を誇るのは、「北海道産ベーコンときのこのスープカレー」。

 旧本店時代から、奥芝社長が一番好きだという一皿。

 食材探しの旅で見つけた、厳選キノコからとれた出汁がスープの香りとコクを深めています。

 長く愛される奥芝の定番メニュー。

 店内に張られた地図には、びっしりと訪問した客の記録が。

 日本中からだけではなく、世界中から奥芝のカレーを求めて来ているんです。

 石川店長は「旅行のお客さんや海外からのお客さんも多いので、思い出に残るお店にしたい。奥芝商店に行けばおいしいだけでなく楽しいこともある、旅先の思い出の1ピースになるようなお店を目指している」と語ります。

 大人気のスープカレー店に密着してみたら、こだわりの食材と手間ひま、人々に長く愛されているおいしさの秘密を見つけました。

北海道文化放送
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