東京商工リサーチによると、鳥取市に拠点を置く水産物販売・加工業者の株式会社マルワフーズ渡辺水産が、12月17日付で事業を停止し、破産申請の準備に入ったことがわかりました。
負債総額は7億円を超えるとみられています。
マルワフーズ渡辺水産は、2006年9月に、兵庫県美方郡の株式会社マルワ渡辺水産の鳥取営業所および食品部を分社化する形で設立されました。
大阪や東京の大市場から北陸や四国などの各地方市場へと幅広い販路があり、直売所では居酒屋などの業者への販売も手がけていました。
設立から順調に事業を拡大し、2008年8月期には売上高12億円強を計上するまでに成長していました。
しかしその後は、同業他社との価格競争の激化や、ライフスタイルの変化、若者の海産物離れなどの要因により需要が低迷。
2014年8月期に売上高が10億円を割り込んで以降、業績は徐々に悪化していました。
直近の2024年8月期決算では、売上高7億8500万円、当期純利益は7500万円の赤字に転落。
同期末の債務超過額は1億8400万円にまで膨らんでいました。
既存の設備資金や赤字補填のための返済負担が重くのしかかり、資金繰りが限界に達したことで今回の事態に至ったとされています。
なおマルワフーズ渡辺水産が運営していた鮮魚屋オンラインショップは11月3日で休業との告知がなされていました。