シリーズでお伝えする『2025くまもとニュースの深層』です。
8回目のきょうは『選挙』。
阿蘇市や八代市などで現職が敗れた市町村長選挙や、全国的に厳しい戦いの中、自民党が議席を死守した参議院選挙を振り返ります。
また、10月に誕生した高市政権の要、木原稔官房長官に私が19日、話を聞いてきました。
【宇城市長選】
「バンザイ」ことし県内45市町村のうち、宇城市や大津町など、全体の3分の1を超える17の自治体で市町村長選挙が行われました。
このうち、五つの市と町で現職が無投票で当選を果たした一方で、南阿蘇村と阿蘇市で現職が新人に敗れました。
5期20年の現職を破った阿蘇市の松嶋 和子市長。
県内で初めての女性市長となりました。
【小野 泰輔 八代市長】
「八代のみなさんがやらなければならないという意識が高まっていると思うし、それに応えられるよう、行政もスピード感を持って、矢継ぎ早にやれることやっていかなきゃいけないと仕事をしている」
八代市の小野 泰輔 市長、8月の市長選で4選目指した現職に、1万4000票余りの差をつけ、初当選を果たしました。
小野市長は、蒲島前知事が東京大学教授時代の教え子。
蒲島県政で副知事を務めたほか、日本維新の会から衆院選に出馬し当選。
衆議院議員を1期務めました。
【小野 泰輔 八代市長】
「各会派、政党とも等距離でやらせていただくと伝えているし、この間の9月の議会でも全会一致で補正予算を通していただいた。市民のためにという思いは同じだと思うのでそこは徹底してこれからも等距離の付き合いをしていきたい」
無所属で選挙に挑み、初当選を果たした小野市長。
市議会との向き合いについて、「それぞれの政党とは〈等距離〉を徹底したい」と話します。
また、就任直前に起きた記録的大雨からの復旧・復興については。
【小野 泰輔 八代市長】
「多くの方々のご尽力によって復旧復興に関しての予算措置を国や県もしていただいたと思っている。でも一番懸念しているのは再度災害の備え。排水機場や排水ポンプの設備が機能することが死活問題。その整備も市だけではできる予算ではないので国や県にも協力してもらい早急に整備していく」
小野市長は毎年のように発生する豪雨に対して、次の災害を防ぐ取り組みを国や県と一体となって進めたいと話します。
来年は熊本市や合志市、菊陽町など県内11の自治体で任期満了に伴う市町村長選挙を予定。
また、議会から不信任決議を受けた現職の辞職により、球磨村でも村長選が行われます。
【馬場氏陣営のバンザイ】
前回の衆院選に続き当時の自公政権に厳しい風が吹き荒れたことし7月の参議院選挙。
熊本選挙区では自民党・現職の馬場 成志さんが3選を果たし、議席を死守しました。
一方で、落選したものの大躍進したのが、参政党。
山口 誠太郎さんが熊本市をはじめ、合志市や菊陽町など都市部で票を伸ばし〈議員経験ゼロ〉ながら20万票を獲得しました。
参政党は全国でも躍進し大幅に議席を増やしました。
また、参政党の勢いに飲み込まれる形となったのが野党第1党の立憲民主党。
国政選挙に初めて挑んだ、元県議の鎌田 聡さんも厳しい結果となりました。
次の衆議院選挙に向け熊本1区に立憲民主党は鎌田さんを、参政党は山口さんの擁立を既に決定。
捲土重来(けんどちょうらい)を期します。
去年の衆院選に続き、参院選でも大敗した自民党。
【高市 早苗 新総裁】
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」
10月の総裁選で高市 早苗 新総裁が誕生しました。
その後、『政治とカネ』をめぐる問題への対応で26年間続いた自民党との連立政権から公明党が離脱しましたが、新たに日本維新の会と連立政権を樹立することで合意し高市総裁が女性初の総理大臣に就任しました。
新たに発足した高市内閣、官房長官に衆議院・熊本1区選出の木原 稔さん、国土交通大臣に衆議院・熊本4区選出の金子 恭之さんが入閣しました。