特集です。まずはこちらのデータをご覧ください。

2022年度は宮崎県が全国1位、2023年度は青森県についで全国2位です。
実はこの数字、3歳児1人あたりの虫歯の数なんです。

1人当たりの虫歯の数は1本に満たないものの、宮崎県は全国ワーストクラスといえます。その背景と歯科医院や県の取り組みにを取材しました。

宮崎市の矯正・小児ひまわり歯科です。
現在、宮崎県では全市町村で1歳6カ月と3歳児に歯科検診や歯科保健指導を行っています。
宮崎市郡歯科医師会の副会長でもある柿崎陽介院長は、宮崎では虫歯がまったくない子供もいる一方で、虫歯がある子供はその本数が多いことが原因にあげられると話します。

(矯正・小児ひまわり歯科 柿崎陽介院長)
「9割近いお子さんが虫歯を持たないけど1割のお子さんが虫歯をたくさん持っているということですね」

歯は生え始めてから数年が特に虫歯になりやすく、食生活では甘いものを覚えるなど虫歯のリスクが高い時期といこうことです。

さらに宮崎を含む九州各県が3歳児に虫歯が多いというデータがあります。
柿崎院長は、料理や調味料など甘いものが好まれるという九州の食文化も関係があるとみています。

さらにこの頃の子供は自我が目覚める時期で、歯医者さんへの苦手意識も関わっています。

(矯正・小児ひまわり歯科 柿崎陽介院長)
「入口から入って来れない子もいますよ、いるんですが…。痛いことをする場所ではないと分かればそれほど嫌なところではなくなるんじゃないかな」

また共働き世帯は、育休などを終え仕事復帰し生活が忙しくなる時期で定期的な歯科検診を怠るケースも多いということです。

(矯正・小児ひまわり歯科 柿崎陽介院長)
「虫歯自体は突発的に起こることではない、積み重なって起こるので今できることをやりましょうという啓発がおそらく都会と地方との差はある」

県としても様々な課題を感じています。

(県健康増進課 健康づくり・歯科保健担当 森木大輔歯科医師)
「市町村によっては、(1歳6カ月、3歳の以外に)歯科保健指導を行う人が少ない、優先順位が低い、財政的なものなど様々な原因が考えられます」

県などは保育園や幼稚園での口腔ケアへの取り組みを期待しています。さらに妊婦検診や小学校での啓発活動はもちろん、市町村の歯科保健担当者などを対象に研修会も開くなど取り組みに力を入れています。

(県健康増進課 健康づくり・歯科保健担当 歯科衛生士 佐竹あすかさん)
「市町村の抱える課題を共有しまして、限られた時間でいかに保護者の方に虫歯予防の大切さなどを伝えるかなど熱心に話し合う機会をもうけさせていただきました」

県は3歳児の虫歯の本数を4年後までに約3割減らすことを目標にしています。

(県健康増進課 健康づくり・歯科保健担当 森木大輔歯科医師)
「家庭でも虫歯予防ということで取り組んでいただきたいんですが、フッ化物塗布を受けていただくところをお願いしたいと思っています」

(矯正・小児ひまわり歯科 柿崎陽介院長)
「糖質の取り過ぎとか野菜の甘味とか味覚もできがる時期。子供の味覚を育てる、あるいは体を育てる。味がわかる子供になってほしい」

テレビ宮崎
テレビ宮崎

宮崎の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。