大学女子日本一を決める富士山女子駅伝が12月30日、静岡県で開催されます。
東北地区から唯一出場するのが東北福祉大学です。チームで唯一の4年生がこの大会にかける思いに迫りました。
12月30日に開催される、富士山女子駅伝。
将来、実業団やプロを目指す選手たちの登竜門で全国24チームが富士の麓で熱きレースを繰り広げます。
東北で唯一の出場校が東北福祉大学。
富士山女子駅伝と並ぶ2大大会の杜の都女子駅伝では、過去最高順位の4位と飛躍を遂げました。
チームは杜の都女子駅伝で区間新記録を樹立した3年生・佐々木菜月選手を筆頭に盤石の戦力が揃います。
佐々木菜月選手
「チームとしては過去最高の3位表彰台を狙うという形で、表彰台に登りたいですし、チームの雰囲気としても総力としてもすごい上がってきていると思います。」
千坂紗雪アナウンサー リポート
「過去最高順位を狙うチームでは、今、熾烈なメンバー争いが佳境を迎えています。」
選手16人のうち、大会エントリーメンバーは12人。歴代屈指の選手層を誇るチームでメンバー入りは簡単なことではありません。
チーム唯一の4年生、キャプテンの平藤楠菜選手。
富士山女子駅伝には1年生の頃から3年連続で出場。チームの中心として活躍していました。
しかし、10月の杜の都女子駅伝ーチーム内競争に敗れ登録メンバーから外れてしまいます。
監督からはキャプテンとしてメンバー入りの打診もありましたが、平藤選手は…
平藤楠菜選手
「『もし楠菜が入りたいなら10人のメンバーに入れるよ』と言われたんですけど、『10人には入らないです』と伝えました。選ばれた10人が全員力のある選手だっれたので、しっかり想いを託して、私ができることをしようと思いました」
全国で上を目指すチームで忖度はいらない。走るメンバーは実力で選ばれるべきだと考えていたからこそ抱いた決意は”富士山女子駅伝に全てをぶつけよう”という思い。
メンバー外になった後のおよそ2か月、走る量を1日10キロも増やし、体も一回り絞りました。
平藤楠菜選手
「”けがをするか””メンバー入るか”の2択の練習メニューを組むと監督と話して、体が壊れても走るって決めたので」
メンバー入りへ、限界まで追い込む理由。そこには、これまでチームメイトにも明かしてこなかった思いがありました。
平藤楠菜選手
「高校1年生の時に、お父さんが交通事故で亡くなってしまって。その時は陸上やってていいのかなという思いが強くて」
父・規康さん。陸上経験者だった父は走る楽しさを教えてくれた”原点”でした。
しかし、高校1年生の時交通事故で他界。規康さんが亡くなった日から走ることが葛藤へと変わったといいます。
平藤楠菜選手
「お父さんが(練習で)走ってる時に引かれてしまったことが、亡くなった理由だったので、家族にとっても、私が走ることで思い出させてしまうのかなと思う部分があって」
それでも…平藤選手の足を前に進ませたのはお父さんでした。
平藤楠菜選手
「高校の時に1500メートルで5分を切ることをお父さんと一緒に目標としていた。お父さんが亡くなった月の大会で5分を切ることができて背中押してくれたのかなと思う部分があって、そこからまだやめちゃいけないと思ったし、もっと成長したところを見せたいなって」
最後までやり切る姿が父に届くように。
迎えたメンバー発表。父への思いは実を結びます。
「では発表します。」「平藤楠菜」
お母さん「選ばれた?」
平藤楠菜選手「選ばれた。」
お母さん「よかったね。おめでとう。4年間ほんとに頑張ったね。最後の1ヶ月ね。感謝の気持ちで笑顔で走りきろうね。最後までね。」
平藤選手の陸上人生、最後の大会となる富士山女子駅伝。
走る楽しさを教えてくれた父へ、集大成を見せます。
平藤楠菜選手
「今までやってきたこととかこれからの練習とかも見ていてもらえると思うので、今まで以上にいい姿を届けられるように頑張っていきたいなって思います」
取材中、後輩の選手たちが「最後、楠菜さんと走りたい」と話していました。
メンバー入り、そして、チームメイトからの信頼は平藤選手がお父さんとの思い出を糧に、4年間を駆け抜けてきた証だと感じました。
大学女子日本一を決める富士山女子駅伝は12月30日午前9時55分から放送です。