冬の味覚の販売が始まりました。秋田県内の鮮魚店などで18日朝、今シーズン初めて季節ハタハタが並びましたが、販売価格はこれまでで最も高くなっています。17日に季節ハタハタの初漁を迎え、18日も水揚げがあったものの十分な量とは言えず、今後の入荷は不透明です。
季節ハタハタは17日に男鹿市北浦で、2024年より2日、禁漁明け以降で最も遅く初漁を迎えました。北浦地区では18日朝も季節ハタハタの水揚げがありました。
漁師・西方強さん:
「これからに期待だ。まだそう簡単に諦めるわけにいかない。これから本隊が来ると思っている」
17日夜から18日朝にかけての水揚げは7.3キロで、十分な量とは言えません。
吉方桃花アナウンサー:
「きのう初漁日を迎えた季節ハタハタ。鮮魚店には早速、男鹿産のハタハタが並んでいます」
秋田市の秋田市民市場の安亀商店には、17日に男鹿市北浦で水揚げされた雌のハタハタが並びましたが、入荷は1箱だけです。
販売価格は2キロ4万5000円で、1匹当たり約4000円と、これまでで最も高くなりました。2024年の入荷初日の約2.5倍です。
安亀商店・安田昭夫さん:
「ハタハタを求めている人と一緒で、自分も商売としていっぱい欲しいが、ないのかなと思っていた。だけど、お客さんの声からしても店頭に並べてみたいと思って、値段は関係なく欲しいと思っていた」
店主の安田昭夫さんは「値段は関係ない」と話すものの、価格の高さには驚きを隠せません。店のハタハタの価格は、1匹3000円で販売している赤い高級魚「キンキ」を上回りました。
安亀商店・安田昭夫さん:
「いくら何でも、ハタハタ1匹がキンキより高いなんて考えられなかったはずだが、きょう初めてキンキ1匹をハタハタ1匹が追い越した。楽々追い越した。こんなのは、自分も50年以上魚をやっているが初めて」
店に並ぶ残り約60箱は、北海道産の雌のハタハタで3キロ1万3500円。1キロ当たりの価格は県産の5分の1です。県産に比べると手頃に感じますが、2024年の2倍。3~4年前と比べると3倍にも上り、購入をためらう客もいるということです。
また、例年は青森産のハタハタも仕入れていますが、今シーズンは一度も入荷していません。
一方、ハタハタの地元ともいえる男鹿市の道の駅おがでも、初めて季節ハタハタが販売されました。入荷は約30匹。最も高い雌が1匹2400円で、鮮魚店より価格は抑えられていますが、訪れた客は「びっくりした。北海道産は食べたけど男鹿産は食べてないから食べたいと思って来たが、ちょっと無理」「値段は高い。あまり高いと、ここら辺の人でも買って食べない」と価格の高さに驚いていました。
道の駅おが・加藤泰洋さん:
「やっと苦労して揚がったものなので、少し値段は高いが間違いなく男鹿産のハタハタはおいしい。いっぱいは手に入らないが、ぜひ多くの人に少しでも食べてもらえれば幸い」
男鹿市では本格的な漁が始まったものの、ほかの漁港で水揚げはなく、この先どれくらい季節ハタハタが取れるかは不透明な状態が続いています。