物価高騰の波が押し寄せる中、2025年のクリスマスケーキのトレンドはどうなっているのか?その現状を探ってみた。

2025年は前年比3.9%の値上がり

年末の一大イベント・“クリスマス”に華を添えるケーキ。

日本でも100年以上前からクリスマスにケーキが食べられていたと言われ、定番のイチゴのショートケーキは1950年代から60年代にかけて広く知れ渡った。

2000年代のクリスマスケーキ(資料)
2000年代のクリスマスケーキ(資料)
この記事の画像(9枚)

その後、2000年代になると華やかなクリスマスケーキが続々と登場し、味や形もバラエティに富むようになっていった。

こうした中、2025年は昨今の物価高や異常気象などの影響が直撃。

ケーキの原材料価格の動向(帝国データバンク推計)
ケーキの原材料価格の動向(帝国データバンク推計)

ケーキの原材料は軒並み値上がりし、帝国データバンクによると前の年の同じ時期と比べて小麦粉は4%、生クリームは10%、卵は20%、イチゴは10%~30%、チョコレートに至っては35%も高くなっている。

このため、クリスマスケーキの平均価格は5号サイズで税抜き4740円と2024年に比べて179円、率にして3.9%の値上がりとなっている。

デコレーション省き価格を抑える

2025年のクリスマスに向け、山崎製パンが販売したのがイチゴなしの“真っ白”なケーキ。

デコレーションを削減することで、価格は5号で税込み2160円とリーズナブルになっている。(予約受付は終了)

ローソンの「シンプルショートケーキ」
ローソンの「シンプルショートケーキ」

また、コンビニ大手のローソンも3年連続でシンプルなケーキを発売。

中の層に桃が入っている以外はトッピングがなく、自分たちで楽しみながら飾り付けできるのが特徴で、価格は5号で税込み2290円とこちらもお手頃価格となっている。(予約受付は終了)

クリスマスケーキ選びに重要視するポイント
クリスマスケーキ選びに重要視するポイント

一方、コンビニ大手・ファミリーマートがクリスマスケーキを選ぶ際に重要視するポイントを調査したところ「味」が圧倒的に1位という結果となった。

初めてのクリスマスを迎えるケーキ店は

静岡市葵区人宿町にあるタルト専門店・TOWARI The Crafted Crust。

オープンは2025年9月ということで初めて迎えるクリスマスシーズンだ。

イチゴタルトのクリスマスケーキ(静岡市 TOWARI The Crafted Crust)
イチゴタルトのクリスマスケーキ(静岡市 TOWARI The Crafted Crust)

クリスマスに向けて用意したのがイチゴのタルト。

パイのように軽いサクサクの生地に、カスタードと生クリームに甘酸っぱいイチゴがたっぷり飾られた自慢の逸品だ。

外村くる美 店長は「普段はイチゴと生クリームの組み合わせのケーキは出していないが、クリスマスということで特別感を出すために、クリームをたっぷり絞っている」と話す。

TOWARI Crafted Crustのクリスマスケーキ
TOWARI Crafted Crustのクリスマスケーキ

値段は7号サイズで税込み8800円。

予約の受付はすでに締め切ったが、100台余りの注文が入っている人気ぶりだ。

猛暑の影響はケーキ店にも

現在のところイチゴの仕入れ価格は例年並みで据え置かれているものの、収穫量は天候に左右されてしまうため、価格面だけでなく十分な量を確保できるのか不安を抱えている。

さらに、いま頭を悩ませているのがバターの確保。

TOWARI Crafted Crust店内(静岡市)
TOWARI Crafted Crust店内(静岡市)

タルト生地に使用する分だけで毎月20kg以上のバターを必要とするため、外村店長は「今年はとても暑い夏で、前年に比べると搾乳の調子が良くなくバターの供給が少なくなり調達に苦戦した」と明かす。

また、最近になって特に値上げの波を感じているものがチョコレートとナッツ類で、「特にチョコに関しては直近の数年で見ると倍以上の価格になっているものもある」と話す。

多くの人が楽しみにしているクリスマス。

TOWARI Crafted Crustのタルトケーキ
TOWARI Crafted Crustのタルトケーキ

1年に一度の特別な日ということで値段より味や見栄えを求める人がいる一方で、自分たちでデコレーションを楽しめる安価でシンプルなケーキを求める人などケーキ商戦は二極化してきている。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
テレビ静岡

静岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。