宮崎市出身で、サッカー元日本代表の興梠慎三さん。
先週、埼玉スタジアムで行われた引退試合には、現役時代共にプレーした選手たちが集結しました。
今後は監督や次世代の育成を目標に歩みを進めます。
(サポーター)
「(興梠さんは)絶対的エースです」「大事なところで点を取ってくれる存在ですね」
「最後なのでぜひゴールを決めて終わってほしいです」「お疲れさまでした〜!」
12月13日、埼玉スタジアムで開かれた引退試合。興梠さんが所属した浦和レッズと鹿島アントラーズのサポーターが駆け付け、3万人以上の観客が最後の勇姿を見届けました。
試合には、鹿島アントラーズでリーグ3連覇を果たした当時のチームメートで、元日本代表の内田篤人さんも参加。
さらに、興梠さんが浦和レッズに移籍して以降、「最も強かった」と語る2017年に所属していたチームメートも集まりました。
試合は開始直後から白熱した展開に。
前半9分相手のクリアボールがクロスバーに当たりゴール前に詰めていた興梠さんが倒れこみながらシュート。先制点を奪います。
その後も、浦和は興梠さんなどのハイプレスによって相手のパスミスを誘発。
これに反応したチームメイトが追加点を挙げ、前半を2−0で折り返します。
後半に入ると、果敢にプレーしていた興梠さんの足がつるというハプニングも…
しかし、興梠さんは最後までピッチに立ち続け、試合は3対1で浦和が勝利しました。
(興梠慎三さん)
「(両サポーターが)引退試合というか普通に試合をしているような雰囲気を作ってくれたのですごく感動しました」
そして、迎えた引退セレモニーでは…
(興梠慎三さん)
「今日という日、これまでのサポート、心の底からありがとうございます。このピッチで、監督としてまた会いましょう。ありがとう」
興梠さんは、およそ3分間の挨拶を全て英語で行いました。
将来監督に就任した際、外国籍の選手とも円滑にコミュニケーションをとるため英語の勉強に励んでいるためです。
その姿を会場で見守っていた興梠さんの母・定子さん。
高校時代何度も「サッカーを辞めたい」と口にしていたという興梠さんがプロの世界で20年活躍したことを労いました。
(興梠さん母・定子さん)
「その(プロの)世界の中で20年間やっていて結果を出したというのは私はすごいなと思って(現役を)辞めると言ったときは もうお疲れ様 と言った」
「監督という仕事は選手とまた違うし、人を動かしたり見る目をつけないといけないし、でもすごくやりがいのある仕事だと思っていますので、最後まで頑張ってほしいなと思っています」
また、引退試合には、小学生時代に同じチームでプレーした伊野波雅彦さん、鵬翔高校の1つ上の先輩増田誓志さんも参加し、同郷の仲間を称えました。
(伊野波雅彦さん)
「みんなプロになれて鹿島では3連覇もできて、こうなるとは誰も思っていなかったと思います」
(増田誓志さん)
「(まず20年やれるとは思わなかったですし続けられる)精神力みたいなものはJリーグでもトップなので、そこが生きた20年だったのかなと思います」
興梠さん、伊野波さん、増田さんの3人は、宮崎の子どもたちに自分たちの経験を還元したいという思いから「TEAM MIYAZAKI」として活動しています。
次世代の育成も今後の興梠さんの目標です。
(興梠慎三さん)
「宮崎から一人でも多くプロになれるように輩出していくのが我々の仕事だと思いますので、そういう選手を育てていくのも大事なことなのではないかなと思います」
「夢を諦めずに一日一日のトレーニングを本当に大事に、本当に努力してプロのサッカー選手になれるように頑張っていってほしいなと思います」
20年の現役生活に幕を下ろした興梠 慎三さん。
将来は監督として埼玉スタジアムのピッチに戻ることも見据え地元宮崎での活動にも
期待が高まります。