高市政権が誕生してから約2カ月にわたった臨時国会が17日午後、閉会した。
台湾有事をめぐる高市首相の答弁をきっかけに、中国との関係悪化が続いているが、
一方、フィリピンも南シナ海の領有権をめぐり、中国と対立を深めている。
その緊迫する現場を取材した。

フィリピン当局の沿岸警備隊の巡視船に同乗取材

水長卓朗記者:
我々の船の近くに中国船がいます。

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水長卓朗記者:
中国船が我々の船とかなり接近してます。

中国とフィリピンが南シナ海の領有権をめぐり、対立を深めている。その緊迫する現場を取材した。

FNNは南シナ海で活動する漁師に、物資の搬入などの支援を行うフィリピン当局の沿岸警備隊の巡視船に同乗した。

巡視船の行き先は、フィリピンのEEZ(排他的経済水域)内、スプラトリー諸島。
港を出発した翌日、巡視船は早くも緊迫した状態に包まれた。

水長卓朗記者:
アバド・サントス礁です。我々の船の近くに中国船がいます。

巡視船は複数の中国海警局の船に囲まれた。
さらに…。

水長卓朗記者:
中国船が我々の船と並走しています。中国船が我々の向かう方向を塞いでいます。

かなり近い距離に来たり、進行方向をふさぐなど、中国船は危険な行為を繰り返し、巡視船に警告をしてきた。

中国船:
フィリピン船、こちらは中国船舶、貴船は中国の領海に侵入した。ただちに立ち去れ。

フィリピン船:
こちらはフィリピン沿岸警備巡視船です。現在あなたたちは、フィリピンの排他的経済水域を航行中です。

漁業が盛んで、天然ガスなどの資源が豊富な周辺海域。
中国がフィリピンのEEZ内に海洋進出を強め、衝突が相次いでいる。

巡視船が漁師たちの漁船に物資を配る最中も…。

水長卓朗記者:
漁師に食料を配っている船の方に、中国船が近づいています。

すぐ近くに中国側の船がいたり、上空からはヘリコプターがにらみをきかせていた。

中国船が高圧の放水砲を発射

そうした中、別のエリアでは…。

フィリピンの漁船約20隻に中国船が高圧の放水砲を発射する妨害行為が発生。

この影響で、漁師3人が負傷し、漁船2隻が損害を受けたという。

フィリピン側は漁師にけが人が出たことを受けて、「無実の漁民の命を危険にさらした」として中国を非難。

一方、中国側は…。

中国外務省・報道官:
中国側の繰り返しにわたる制止と警告を無視し、さらに悪意のある方向転換などの危険な行動を繰り返し行った。

「挑発行為があったので、警告して追い払った」と主張。
南シナ海の領有権問題は双方の主張がかみ合わないまま、緊張が続いている。
(「イット!」12月17日放送より)