秋田の冬の味覚「季節ハタハタ」の便りが届きません。16日までに秋田県内ではまとまった水揚げはなく、今後あったとしても季節ハタハタの「初漁」は、禁漁明けで最も遅くなることが確実です。

山崎友海也アナウンサー:
「午前7時をまわった八峰町の八森漁港です。現在ハタハタの網上げ作業が行われています。果たしてどれほどかかっているのでしょうか」

漁師は期待を込めて海に向かいましたが、「全然ダメだった。仕方ない。漁師ばかりが焦っても魚は来ないんだから」と話します。

網にかかっていたのはメバル2匹で、ハタハタの姿はありませんでした。

県内では、16日までにまとまったハタハタの水揚げはなく、「初漁」は禁漁明けの1995年以降で最も遅かった2024年の12月15日を更新しました。

それでも漁師は望みを捨てていません。

八森漁港漁師・庄内章さん:
「あしたから大潮だから1匹か2匹は取れるだろう。そう思っていないとやっていられない」

沖合の底引き網漁も伸び悩んでいます。15日までの漁獲量は4.8トンで、過去最低となった2024年の同じ時期の半分ほどにとどまっています。過去10年で最も漁獲量が多かった2016年と比べると、わずか1%ほどに落ち込んでいます。

この先、季節ハタハタは取れるのか。

県水産振興センター資源部の松井崇人主任研究員は「2024年も初漁日がかなり遅くなり、資源量が減ってきてることもあって、なかなかハタハタがまとまって来ないと考えられている。初漁日が遅くはなるだろうと思っていたが、やはりかなり厳しい状況。ハタハタ自体が30年くらいの周期で増減している魚と分かってきて、今すごく減っている時期。加えて地球温暖化に伴う海水温の上昇が影響していると考えられる」と分析しています。

センターによりますと、2025年の季節ハタハタは、このまままとまった水揚げがない可能性もあるということです。

松井主任研究員は「『秋田県にはハタハタがないと』ということがあるので、何とか取れるようにしていきたいと思っている。資源的に減っている状況で、どうすれば増えていくのかを考えないといけない。県水産振興センターでもハタハタを増やせる方法は何があるのかを、改めて国と県と相談しながら考えていきたい」と話しています。

秋田テレビ
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