すさまじい勢いで市街地に押し寄せる濁流。
茶色く濁った水に押し流された車は、路上に残された車にぶつかりようやく止まりました。
ここは北アフリカの国・モロッコ。
14日に発生した集中豪雨により大規模な洪水に見舞われた大西洋沿岸部の都市サフィの様子です。
街は水に浸かった状態です。
地元当局によりますと、この集中豪雨による洪水の影響で、道路が寸断されたほか、少なくとも70軒の住宅や店舗が浸水。
これまでに37人が死亡、14人がけがをして病院で治療を受けているということです。
洪水で身近な人を失ったという男性は涙ながらに「本当に何て言えばいいのか分かりません。友だちも隣人も亡くなりました。すべてを失いました。私は深くショックを受けています」と訴えました。
また、土砂の撤去作業に追われる人々の中には、自宅が浸水したという女性がいました。
どのような状況だったのでしょうか。
女性:
水が入ってきたのはここよ。屋根から入ってきたの。この状況を見てください。私たちは水のせいですべてを失いました。
このような大規模な洪水が発生した背景にあるのは、深刻な干ばつ。
モロッコでは7年間にわたる深刻な干ばつの影響で、地面が雨を吸収せず、鉄砲水や洪水が発生しやすい状況になっているのです。
モロッコでは16日以降も大雨になる恐れがあり、北部の街にある学校では休校にするなどの措置がとられています。