台風並みの低気圧の襲来で、記録的な大雪や暴風に見舞われた北海道。

16日朝の札幌市は、氷点下の冷え込みで路面がツルツルに変化。
交差点付近は解けた雪が固まり、でこぼことし、危険な状態となっていました。

通勤・通学する人も、滑りやすい足元を気にしながら慎重に歩く様子が見られました。

一方、まもなく年末を迎えるのを前に、各地で準備が始まっています。

福井・池田町では、地元のお年寄りたちが集まり、正月用のしめ縄作りが最盛期を迎えていました。

熟練の手つきで稲を編み上げていきます。
ダイダイを飾り付け、しめ縄が完成します。

唐津焼で知られる佐賀・唐津市。

2026年の干支は60年に一度の「丙午(ひのえうま)」とあって、馬のたてがみを竹べらで細かく形作り。
唐津焼の窯元で、馬の置物作りも進められていました。

三代の中野霓林さんは「できるだけ品がよく、凜(りん)とした姿を求めて制作している」と話しました。

岩手・平泉町にある世界遺産「中尊寺」では、職員の女性たちが破魔矢作りの作業を行っていました。

白木の矢に馬が描かれた絵馬と鈴の飾りを取り付けます。

正月に向け1500本を用意するという破魔矢は、今が作業のピーク。

正月三が日は、例年並みの10万人の人出を見込んでいます。

また、岐阜市で収穫が始まったのは、関西地方で正月の雑煮に使われる縁起物「祝いだいこん」です。

切り口が丸くなるため「角が立たない」と、関西では雑煮に入れて新年の縁起担ぎをするということです。

岐阜市では30年ほど前から関西向けの生産を始め、今では全国の約9割のシェアを占めているといいます。

長野・茅野市では、伝統の寒天づくりも始まっています。

寒天作りには、冬の冷え込みも欠かせません。
凍ったり解けたりを繰り返して水分が抜け、角寒天が出来上がります。

しかし暖冬の影響に、五味喜一商店の五味昌彦さんからは「長期予報がわずかの間に(高温に)変わって内心困っているのが本音。(作業を)始めた以上は天候を信じてやっていきたい」と不安の声が上がりました。

寒天作りは2月上旬まで続き、70万本の生産を見込んでいます。

15日、台風並みに発達した低気圧の影響で大雪・暴風となった北海道。
影響は16日も続いています。

網走市では大規模な停電が発生。

真ん中付近で折れた電柱。
猛吹雪で、電線についた雪の重みが増したことが折れた原因とみられています。

網走市、北見市、根室市を中心に、午後2時現在3180戸で停電しています。

16日朝、網走市では氷点下4.9度まで冷え込んだ中、停電で暖房機器などが使えず、生活にも大きな影響が出ています。

自宅に設置した発電機を使って電力を補っている人たちもいました。

家の中を見せてもらうと、発電機からの電気で、かろうじて灯油ストーブが稼働。
何とか暖をとることができている状況でした。

復旧作業を行っている北海道電力によりますと、17日まで停電が続く地域があるということです。

FNN
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