インフルエンザの流行が本格化し、福岡県内でも感染者が急増しています。

人の移動が活発化する年末年始を前に、自宅でできる対策を医師に取材しました。

福岡県那珂川市の「じんのうち耳鼻咽喉科」には15日、午前中から多くの患者が訪れていました。

その理由は、猛威をふるっているインフルエンザです。

◆じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也院長
「ここ2週間ぐらいはもう爆発的に増えていて、今が本当にピークぐらいだと思います」

県によりますと、県内で報告された直近1週間のインフルエンザの感染者数は1医療機関あたり65.56人と前の週の1.34倍に増えています。

全国では感染者数が前の週を下回る中、福岡県では3週連続でインフルエンザ警報が発表されています。

小中学校などではインフルエンザによる休校や学級・学年閉鎖が相次いでいて、このうち福岡市では今シーズンの学級閉鎖などの累計が15日までに387件と前年の約5倍に上っています。

そうした中、医師は自宅でできる対策があるといいます。

その1つが…。

◆じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也院長
「加湿器を使ったり、洗濯物を干したり、乾燥した室内の湿度を上げる。湿度を上げるとインフルエンザウイルスが生きにくい環境になるので予防になる」

インフルエンザウイルスの6時間後の生存率を異なる湿度や気温のもとで調査した研究データによると、気温7℃から8℃の場合、湿度が23%から25%の乾燥した環境ではウイルスの生存率は63%ですが、湿度が51%に上がると生存率が42%まで低下します。

さらに気温が20.5℃から24℃の場合、同じように乾燥した状態から湿度を上げるとウイルスの生存率は4.2%にまで激減しています。

加湿器の使用はインフルエンザの予防にも効果が期待できそうです。

ほかにも効果的とされているのが…。

◆じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也院長
「『鼻うがい』もいいかもしれない。ウイルスを洗い流すことで、絶対的な感染しやすい量を減らす効果があります」

鼻うがいの効果と正しい方法を陣内医師に聞きました。

鼻うがいがおすすめなのは、インフルエンザウイルスは鼻とのどからしか体内に入らないため、鼻の奥とのどを一緒に洗い流すと感染しにくい状態を保つことができ、予防策として非常に有効だということです。

実際の手順です。

まず頭を少し前に倒し、片方の鼻から洗浄液を吸い上げます。

そして反対側の鼻から液を出しますが、このとき「あ~」と声を出すと、のどに液が垂れません。

慣れが必要なので、液を入れた方の鼻や口から出ても大丈夫だそうです。

注意点もあります。

鼻は耳とつながっているので、洗浄液が耳の方に流れると痛みの原因になるおそれがあります。

また、粘膜を守るため過度な鼻うがいは控えてほしいと話しています。

テレビ西日本
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