警察は飲酒運転の取り締まりを強化
年末の忘年会シーズンを迎え、警察は飲酒運転の取り締まりを強化している。甘い考えでハンドルを握る危険なドライバーたち。「いけるかなと思って…」現場に密着すると、そんな呆れた動機で運転する悪質な違反の実態が見えてきた。
松山市内で警察の飲酒取り締まりに密着
違反車両の追跡に…夜明け前の取り調べ。「いけるかなと思って…」飲酒男の呆れた動機!悪質なドライバーを取り締まる警察のパトロールに密着した。
金曜日の夜。
警察官:
「夜分にすみません。お酒の検問しています。息だけ(吹いてもらっても)構わんですか?」
繁華街に近い、松山市のロープウェー商店街で飲酒運転の検問が行われた。対象は車だけではなく、自転車も含まれる。自転車の酒気帯び運転は2024年11月の道路交通法改正で罰則が強化。県内では11月末までの1年間で、127件が検挙されている。

あの事件が思い出される
検問を避けようとした自転車も走って追いかけて、検査を行う徹底ぶり。
松山東警察署交通第一課・山﨑諭課長:
「絶対に飲酒運転は“許さない”という姿勢で、飲酒運転を“撲滅”できるように」
この強い言葉の裏にはある事件が…。2025年8月、松山市で時速140キロの車にミニバイクがはねられ、男性が大けがをしたひき逃げ事件。飲酒運転の発覚を恐れたドライバーの男の犯行だった。
県警によると、厳罰化された自転車を含めて県内では2025年に入り、11月末までに、389件の飲酒運転を摘発。2024年の同じ時期と比べて170件増え、悪質な飲酒運転は後を絶たない状況だ。

目をつけたのは踏切で一時停止をしなかった乗用車
深夜午前2時半すぎ、繁華街周辺で取り締まりにあたるパトカーに密着した。
松山東警察署・交通機動係・佐伯克之巡査部長:
「前の運転手さんそのまま停車・停車をお願いします!前の運転手さんです。停車をお願いします」
交通違反の取り締まりが専門、松山東警察署・佐伯克之巡査部長と福永真帆巡査長。目をつけたのは踏切で一時停止をしなかった乗用車。
松山東警察署・交通機動係・福永真帆巡査長:
「大丈夫ですね。踏切とか気を付けてもらえたらと思いますんで」
怪しい動きをしたドライバーは見逃さない。

無線の連絡を受け、繁華街に向かった
覆面パトカー:
「現在、飲酒運転容疑車両を停車させております」
無線の連絡を受け、繁華街に向かった。
佐伯克之巡査部長:
「交通課の佐々木って言うんですけど、ちょっとだけ飲んでしまったの?」
20代後半の男:
「あぁそうっすね。それははい」
現場にいたのはタバコを吸いながら、悪びれる様子を見せない20代後半の男。

少しでもお酒を飲んで運転してはならない
20代後半の男:
「モンダミンとかは反応します?」
佐伯克之巡査部長:
「モンダミンはしたん?いつ?」
20代後半の男:
「いま女の子の家出た、出る前」
言い訳できないようにうがいを済ませて検査を行うと…
佐伯克之巡査部長:
「0.12」(呼気1リットルあたり)
検挙の基準には満たないもののアルコールが検出された。
20代後半の男:
「缶ビール1本飲んだ」
酒を飲んでハンドルを握った時点で、常識を欠いた行動と言わざるをえない。
佐伯克之巡査部長:
「運転していいよっていうわけではない。お酒を飲んで運転しないでください。約束をお願いします」
男には指導警告が行われ、代行運転で帰宅させました。

寒くて早く帰りたかったという理由
続いて、2人が見つけたのは…
福永真帆巡査長:
「57、57、58(キロ)、原付の運転手さん止まってください」
ミニバイクを運転していたのは、アルバイト終わりの大学生。
佐伯克之巡査部長:
「ここで速度を見てほしいんやけど58キロ。28キロの超過となるので、今回違反処理をします。30超えたら本当は赤切符で一発免停なんやけど、そこまではいかんけん、重々反省はしてください」
アルコールの反応はなかったものの、速度超過で1万2千円の反則金。

ビール1杯だけ飲んだという男…本当のところは
午前5時過ぎの歩道で行われていたのは、まっすぐ歩けるかどうかの見極め。
20代の男からは基準値の約3倍のアルコールが検知され、極めて悪質な酒酔い運転に該当しないか調べられた。
佐伯克之巡査部長:
「ビール一杯だけで0.47は出ん。あからさまに出ない。説明してほしい」
ビール1杯だけ飲んだという男。捜査のため逮捕される可能性があることを伝えると…
20代の男:
「きのう飲んだやつも入りますか?」
佐伯克之巡査部長:
「きのうはいつ飲んだん?」
20代の男:
「きのうは夜ですけど」
佐伯克之巡査部長:
「飲んでるじゃん」

一瞬の油断が一生取り返しのつかない事態を招くリスクがある
男は結局、「前の日の午後10時から、中ジョッキ3杯以上ビールを飲んだ」と説明。
佐伯克之巡査部長:
「なんで運転してしまったん」
20代の男:
「いけるかなと思って…」
佐伯克之巡査部長:
「もし相手を巻き込む事故をしていたら、簡単には終わらんくなってしまうので、二度とないようにだけ」
20代の男:
「すみません」
酒気帯び運転は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、正常に運転ができない状況と判断された場合は、5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と飲酒運転には厳しい罰則が設けられている。「少しくらい運転しても…」その一瞬の油断が一生取り返しのつかない事態を招くリスクがあるということをドライバーは絶対に忘れてはいけない。

