JR北海道は12月12日、踏切の除雪作業時の列車の見張員2人が見張りに専念せずに除雪作業をしていたと発表しました。

 見張員が現場を離れて除雪作業をしていたのは、室蘭線の栗岡―栗沢間にある「栗丘構内町通り踏切」など3つの踏切です。

 11月18日午前10時ごろ、遮断機のある踏切の中で除雪作業をしていた5人のうち、2人は「列車見張員」でしたが、見張りに専念せずに除雪作業をしていました。

 JR北海道によりますと、2人は現地の積雪量が多く、踏切を通る人や車などの安全を確保しようと、急きょ作業内容を変更したということです。

 ただ、今回の事例では列車が踏切に近づくまでに約3時間ありました。

 「列車見張員」は現場で作業する人に列車が来たことを知らせる合図などを担当していて、いかなる場合でも見張り業務に専念しなければならないとJR北海道の社内ルールで定められています。


 「列車見張員」が見張り業務に専念しなかった場合、列車の接近を失念し、現場の作業員の待避が遅れ、列車の緊急停止や列車の接触事故が発生する恐れがあるということです。

 JR北海道によりますと、2人は「いち早く踏切を通るお客様の安全を確保したかったので手伝った」などと話しているということです。

 本社の担当者が11月26日にウェアラブルカメラの映像を確認し、今回のルール違反が発覚しました。

 JR北海道は「工務関係のすべての職場で職場内議論を行い、ルールを職場全体で守っていくことを指導した。ルールを守る意味も再認識させた、重大事故の発生を防ぐ」と話しています。

 JR北海道を巡っては、安全管理をめぐるトラブルが相次ぎ、綿貫泰之社長が2025年6月、作業員にGPSや体に装着する「ウェアラブルカメラ」を付けて現場の状況を本社が把握することを打ち出していました。

北海道文化放送
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