長野県石油商業組合をめぐるガソリン価格のカルテル問題。公正取引委員会が組合・北信支部のカルテル行為を認定し、組合も「事実上、容認していた」と指摘したことを受け、組合は記者会見を開き、陳謝した上で、再発防止への取組などを説明した。一方で、カルテル行為への関与は改めて否定した。

長野県石油商業組合が会見を開き陳謝

12月5日、記者会見を開いた長野県石油商業組合。冒頭、高見沢秀茂理事長がカルテル疑惑をめぐる一連の問題について「真摯に重く受け止めるとともに、県民の皆さま、関係者の信頼を裏切ることになり、大変申し訳ございませんでした」と陳謝した。

長野県石油商業組合の会見(12月5日)
長野県石油商業組合の会見(12月5日)
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ガソリン価格の事前調整疑惑をめぐっては、公正取引委員会が先週、組合・北信支部のカルテル行為を認定し、再発防止に向けた「排除措置命令」を出したほか、17の事業者に約1億1600万円の課徴金納付を命じた。

高見沢理事長が代表を務める会社は、17社の中で最も多い3731万円の納付命令を受けた。

高見沢理事長は「弊社がカルテルを起こしたことに深くおわびする。私が指示したということはございません。勝手にやったということより、監督できなかったことに対して深く反省しております」と述べた。

役員の進退は「理事会に判断を仰ぐ」

また、公正取引委員会は組合に対しても、「北信支部から連絡を受けてカルテル行為を認識し、事実上、容認していた」と指摘し、法令順守を図るよう申し入れを行った。

公正取引委員会の会見(11月26日)
公正取引委員会の会見(11月26日)

組合は、12月5日の会見で問題の背景に「独占禁止法について認識不足があった」などととし、行動指針の作成や役員・組合員への研修、外部人材の登用を含む人事体制の刷新などで再発防止を図ると説明した。

役員の進退については、「理事会に判断を仰ぐ」としている。

県石油商業組合・曽根原幹二副理事長は「今後あらゆる手段を講じて自浄作用を具備した透明、公正な組織に向けて継続した努力をしていく。(取り組みの)結果、長野県からの信頼回復につなげなければならない」と述べた。

「価格調整した認識はない」改めて否定

公正取引委員会の命令や申し入れを「重く受け止める」とした組合幹部。

県石油商業組合の会見(12月5日)
県石油商業組合の会見(12月5日)

ただ、指摘されたカルテルの認識について、高見沢秀茂理事長は「価格調整をした認識はなく、個々の店舗が経営するための参考資料という認識でした。認識の差ということで、うそ偽りを述べた記憶はない。『それ違法だよ』と言えなかったことがざんきの思いである」と述べ、改めて組合の関与は否定した。

長野放送
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