歌を愛する長野県原村の10歳の女の子です。声楽を学んで1年半余り、高く澄んだ歌声が評価され、2025年、全国コンクールで最高賞に輝きました。大好きな歌を「多くの人に届けたい」と先日、初めてのコンサートに挑戦しました。

■全国コンクールで最高賞

♪「The Sound Of Music」

会場に響く澄んだ歌声。

原村の中野ありすさん10歳です。

2025年、声楽の全国コンクール・小学生部門で最高賞を受賞。

感謝の思いを込め、初めてのコンサートを開きました。

♪「エーデルワイス」

訪れた人:
「心が研ぎ澄まされていくような感覚で、本当に良かったです」
「一瞬でその場の雰囲気を変えてしまうような歌声」

原村 小学4年生・中野ありすさん(10):
「まず一番は、聴いてくれる方々が幸せになってもらえるように歌うのと、あと、自分も幸せになれるように歌います」

■「歌は特別。一番自分らしく」

東京で生まれたありすさん。

幼い頃から歌うことが大好きでした。

母・伽名子さん:
「気持ちの込め方が(子どもの)普通の感じとは違うかなって」

父・俊宏さん:
「歌を歌ってる時はすごく楽しそうだったし、でもこんなになるとは思わなかったですね」

中野ありすさん(10):
「歌ってる時が一番自分らしくいられるし、幸せです。(歌は特別ですか?)特別です」

2024年、豊かな自然にひかれ家族で原村に移住しました。

■原村でみつけた「自分らしさ」

ありすさんが通うのは「森の学校 トゥルカ」。

小学生から中学生まで10人余りが通う「オルタナティブスクール」です。

森の学校 トゥルカ代表・櫻林美沙枝さん:
「子どもたちが勉強だったり、遊びだったりできるように、基本的には笑顔で過ごせるように努めています」

それぞれのペースで学習に取り組みます。

中野ありすさん(10):
「きょうは漢字をやっています。(好きな教科ってある?)国語です」

文章や物語が好きで気持ちを詩につづることもあります。

学校生活では戸惑いや悩みを抱えることもあったありすさん。

「トゥルカ」に通い1年。今は自分のペースを大切にしています。

特に気に入っているのが森の中で過ごす時間です。

自然を感じる大きなトランポリンも!

中野ありすさん:
「気持ちいいし、楽しいし、普段、何かあっても、森の空気を吸ったら心がきれいになる。(ありすさんにとってどんな場所?)自分らしくいられる場所です」

「自分らしさ」を大切にしよう―。

原村の自然やトゥルカで学ぶ中、一番自分らしくいられる「歌」への思いがさらに強くなっていきました。

■「三冠」成熟度の高さ・表現力

1年半ほど前から富士見町在住の音楽家・根本崇史さんの下で本格的なレッスンを受けています。

声楽指導・根本崇史さん:
「(ありすさんの魅力は)まずきれいな声ですね。無理のない、素直できれいな声。自分自身の良さをしっかり見つけて、それをちゃんと表現できるようになっていった」

2025年はさまざまなコンクールやオーディションにも挑戦。

8月に開かれた日本ジュニア声楽コンクールでは、地方大会を勝ち抜いた全国18人の中から小学4年生にして「最高賞」に輝きました。

「高音域発声の成熟度の高さ」「熟練した大人のような表現力」が評価され、「小学生部門1位」「歌唱表現賞」「外国語歌唱賞」の三冠。

中野ありすさん:
「レッスンを始めてみたら、もっと、もっと好きになって、歌っていいなって思うようになりました」

母・伽名子さん:
「歌に関しては『やります!』みたいな感じで、根性を出してきて、やっぱり好きだし、やりたいんだなって」

父・俊宏さん:
「それが彼女の一番の自信になったので、本当にうれしかったですね」

■初のコンサートへ向け練習

心の成長を支えてくれた「歌」。

今度は「自分の歌でみんなに幸せを届けたい」と地元で初めてのコンサートを開くことを決めました。

声楽指導・根本崇史さん:
「『G』じゃなくて、『SI』なので、『ズィ』。Nella Fantasia」

コンサートを6日後に控えたこの日、確認していたのはイタリア語の歌詞。初めて挑戦する楽曲です。

♪「Nella Fantasia」
「Nella Fantasia io vedo un mondo giusto」
(空想の中で 私は正しい世界を見ている)

中野ありすさん:
「普段使っていない言語を急に歌うのは難しい」

ありすさんの高音が生きる楽曲。

声楽指導・根本崇史さん:
「小学4年生で高い声が頭声(裏声)できれいに出るっていうのはあまり見たことがない」

中野ありすさん:
「(本番に向けてどうだった?)もうちょっと声が響けば(笑)」

中野ありすさん:
「元気でいますか?大事な人はできましたか?」

声楽指導・根本崇史さん:
「ちょっと棒読みだな、まだ。大事な人って誰?」

歌詞に込められた想いを考え、表現力も磨きます。

中野ありすさん:
「大事な人は できましたか?」

声楽指導・根本崇史さん:
「うまいじゃん」

♪「明日への手紙」
「元気でいますか 大事な人はできましたか」

本番に向け練習が続きます。

■観客を魅了した初の単独公演

そして迎えたコンサート当日。

中野ありすさん:
「あんまり緊張はしていないです。(楽しみ?)「はい」

地元の住民や友達が続々と集まり、ついに開幕。

中野ありすさん:
「春をまちながら、ウキウキする気持ちで歌おうと思って『早春賦』を1番目に選びました」

♪「早春賦」

4曲目は練習で苦労していたイタリア語の楽曲です。

♪「Nella Fantasia」

澄んだ高音が響く―。

♪「明日への手紙」

声楽指導・根本崇史さん:
「ありすさんはもともと、聴いてくれる人が幸せになるように歌いたいと言っていたので、今までと違う引き出しというか、新しい歌が歌えたんじゃないかな」

■大成功の裏で芽生えた夢

全9曲のプログラムで最後に選んだのは、ありすさんにとって特別な歌です。

♪「Climb Ev’ry Mountain」
映画「サウンド・オブ・ミュージック」より
「Climb every mountain Ford every stream Follow every rainbow Till you find your dream」
(すべての山に登りなさい すべての小川を渡って すべての虹を追いかけて あなたの夢が見つかるまで)

中野ありすさん:
「つらいときは、歌を歌ったら楽しくなれるよっていうメッセージ。一番は聴いている人が幸せになってくれることと、あとは自分らしく歌って、自分が幸せな気持ちで歌えるように意識しました」

2公演、約60人の観客を魅了し、終演。

中野ありすさん:
「うれしい気持ちと、もうちょっと歌いたかったなという気持ちが重なっています」

小学校やトゥルカの友達も駆け付けてくれました。

友達:
「すごくきれいな声ですごかった」
「ずっと高いきれいな声が出ててすごかった」

森の学校 トゥルカ代表・櫻林美沙枝さん:
「本当に素晴らしくて。心が美しいから歌声も美しいんだなと」

将来の夢は「お医者さん」ともうひとつ―。

中野ありすさん:
「楽しそうに歌ったり、きっと体力も必要だけど、疲れたってところを見せずに楽しませてくれる、ミュージカル俳優になりたいです」

長野放送
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