ベンチスタートの選手たちが躍動した2試合

12月5・6日に、ウイングアリーナ刈谷で「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26シーズンB1第12節」が行われ、シーホース三河は滋賀レイクスをホームに迎えた。三河は、GAME1を98-82で、GAME2を105-80で勝利し、連勝を7に伸ばした。

バイウィーク明けとなった今節、2試合とも二桁得点差の快勝となったが、最終スコアほどイージーな内容ではなかった。GAME1では、52-36と16点をリードして前半を折り返したものの、3Qに入ると滋賀の激しいプレッシャーから流れを失い、逆転を許してしまう。ここでトーンセットしたのは、途中から入った長野誠史と角野亮伍だった。長野はアシストで、角野は積極的にドライブを仕掛けて、停滞していたオフェンスを活性化させる。出場していた時間帯のチーム全体の得失点差を示す「+/−」は、二人とも+23を記録し、4Qで突き放すことに成功した。

GAME2はトーマス・ケネディとアーロン・ホワイトが躍動する。ケネディは、5本の3Pシュートを含むチームトップの27得点と大爆発。シュートを打てば決まってしまう「ゾーン」に入ったような状態で、シューターはこうなると手がつけられない。ホワイトは、ペイントエリアの脅威となっていたザック・オーガストのスコアをピタリと止めた。11得点に加え、貢献度を示すEFFと「+/−」はチーム2位の数字を記録。勝利の立役者となった。

シーズン当初、三河はセカンドユニットが機能せず、試合の流れを手放すことが多かった。一方、滋賀との2試合は、セカンドユニットの活躍が光った。ケミストリーを感じさせるプレーも多く見られ、チームとしての完成度は確実が上がっている。試合後、滋賀の前田健滋朗HCも「三河さんのクオリティの高いバスケットを見せつけられた」と振り返っている。

「チームで理解を深めながら、練習を積み重ねてきた結果」(ケネディ)

滋賀戦について、ライアン・リッチマンHCはディフェンスを勝因に挙げた。
「我々は3回連続でストップすることをディフェンスがどれくらい機能しているかという指標として用いていますが、それがいくつか見られたことがよかったと思っています」

GAME2で輝いたケネディとホワイトについては、リッチマンHCは「コネクター」と評する。
「二人ともいろいろなプレーができる選手です。彼らは選手と選手をつなぐコネクターとして優れていると感じていますし、オフェンスだけでなくディフェンスもハードにやり続けてくれます。そして、勝つという感覚。そこが優れている選手たちと思っています」

27得点を記録したケネディは「今日はディフェンスからオフェンスにつなげることができたゲームでした。ウォームアップからシュートタッチがいいと感じていましたし、27得点という数字よりもチームを勢いにのせることができたのが嬉しく思います」と振り返る。

ケネディのBリーグでのキャリアハイは2023年、茨城ロボッツ在籍時に記録した42得点。これはなかなか真似できる数字ではない。もとから高い得点力を持った選手が、今はチームプレーを強く意識している。
「自分が出場している時にやるべきことをやる、それを一番に考えています。プレータイムがどれくらい与えられるとか関係なく、やるべきことをやって貢献する。チームにいい影響を与えていきたい。自分自身もアーロンもそうですが、どうチームにフィットしていくか、どう貢献していけるかを常に模索しています。考えながら、理解を深めながら、練習を積み重ねてきました。その結果、今はいい状態になってきたと感じます」

ケネディは「誰でもヒーローになれる可能性があるチームになっている」とも話した。特定の選手に頼るのではなく、優れた選手がそろっている証拠だろう。日本代表戦で目覚ましい活躍を見せた西田優大やダバンテ・ガードナーといったタレントはいるが、依存しすぎないのが今の三河だ。今シーズンはリーグ上位のチームが堅調で、なかなか崩れる様子はない。三河も連勝をどこまで伸ばしていけるか。次節の佐賀戦もチーム力での勝利を期待したい。

東海テレビ
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