3日、1年の世相を象徴する食を選ぶ“今年の一皿”が発表されました。
2024年は手軽に味わえる機会が増えたなどとしてウナギが選ばれたんですが、2025年は世間を騒がせたあの食べ物でした。
ぐるなびが毎年発表している“今年の一皿”。
インバウンドで人気が高い「抹茶」や、若者を中心に人気の「麻辣湯」、「ご当地うどん」がノミネートされる中で…。
ぐるなび・滝久雄会長:
今年の一皿は…「お米グルメ」です。
大賞に選ばれたのは「お米グルメ」で、白米をはじめ、雑穀米や炊き込みご飯、米粉パンなど、お米を活用したメニュー全般のことだそうです。
コメ高騰に翻弄(ほんろう)されて、“令和の米騒動”という言葉も生まれたこの1年。
1月にはスーパーのコメの値段が5kgで4000円を超えるところもありました。
3月には備蓄米21万トンが放出されましたが、消費の現場に行き届いていない実態が判明しました。
前任の農水相がコメを巡る失言によって事実上の更迭となり、後任を託されたのが小泉進次郎氏でした。
小泉前農水相:
“コメ担当大臣”だといったような、そういった思いで集中して取り組んでいきたい。
小泉前農水相は随意契約による備蓄米を放出し、2000円台の備蓄米の販売を早々と実現。
スーパーでは備蓄米を求める長蛇の列ができました。
購入客:
うれしいですね。小泉大臣のおかげで。
とはいえ、今も高止まりの状態が続いているコメの価格。
“今年の一皿”に「お米グルメ」が選出された理由についてみていきます。
今回、「お米グルメ」が選出された理由に、コメ価格への関心が高まる中で玄米や雑穀米などの健康米市場が拡大したこと、それから備蓄米をおいしく食べる方法が注目されたことなどが挙げられています。
宮司愛海キャスター:
実は2023年にもコメ関連で選ばれているんですけど青井さん、何だと思います?
青井実キャスター:
一昨年?ウナギが去年で…出てこない。
宮司愛海キャスター:
正解は「ご馳走おにぎり」だったんです。豊富な具材から選べる楽しさなどが消費者に受けて、見た目の華やかさからSNSを中心に話題となりました。同じコメでも一昨年とは背景も意味合いも違うということです。
青井実キャスター:
ほんの2年しかたたなかったのにね。では、この1年、飲食店、家庭ではコメ価格どうやって乗り切ったんでしょうか。
3日に「イット!」が取材したのは、東京・新宿区の早稲田大学近くにある定食店「早稲田モンスターズキッチン」です。
1000円ほどで大盛り定食が食べられるということもあって、食べ盛りの学生たちに人気の店だといいます。
大学2年生:
今ご飯おかわりしました。お値段無料ですね。
大学1年生:
ご飯おかわり・大盛り無料みたいな。アメリカンフットボールやってる。この値段でご飯たくさん食べられるのでうれしい。
この店ではコメ価格が高騰しても、“おかわり無料”を続けているといいます。
早稲田モンスターズキッチン・花田富樹店長:
値上げを春先にしたが、値上げ幅より高騰幅の方が大きいので、不本意というかお米を国産米から比較的安定しているアメリカ産のカルローズ米に代えた。
そして、カルローズ米を少しでもおいしく食べてもらうため、水を吸わせる時間を長めにとったり、できるだけ短いスパンでこまめに炊くよう気をつけているといいます。
さらに、コメをおいしくするオイルと一緒に混ぜて炊いたり、カルローズ米に雑穀米を混ぜるなどの工夫もしているということです。
こうしたアイデアによって、売り上げは2024年の1.3倍ほどに伸びたといいます。
青井実キャスター:
パックン、皆さん苦しい状況の中ですが、努力によって売り上げアップしてるんですね。
SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
工夫の他に、他の店が食べ放題やめていることもあるんですけど、コメ文化の大切さ、今年本当に再確認できました。これからは農家と農水の工夫で安く提供できるように。
街の人にコメ高騰をどうやって乗り切ったのか聞いてみると、「お米以外の麺とかを食べることが多くなったかな。毎食お米だったのをちょっと一食変えるとか」「なかなか大変ですね。玄米買って、家に精米機があるのでそれを使ってます」といった声が聞かれました。
都内のスーパーでは現在も5kg4000円を超えています。
今年1年、多くの人が頭を悩まされた対策。
今後もまだ続きそうです。