埋め立てが始まった大浦湾は、地盤改良工事のため約7万本の砂杭の打ち込みが計画されていますが、現在工事は進んでおらず、計画が予定通りに進むか不透明です。
軟弱地盤が広がる大浦湾側では、1月、沖縄防衛局が砂杭を海底に打ち込む地盤改良工事を開始しました。
また、3月にはうるま市の民間の桟橋を使用して土砂を海上輸送するなど、工事の加速化を図っています。
28日に土砂の投入が始まった大浦湾側の埋め立てについて、防衛局は今後、リクマーレ船と呼ばれる作業船のコンベヤーを使用して、土砂の投入を実施するとみられます。
ところで大浦湾では、マヨネーズ並みとされる柔らかい地盤となっているため、政府が地盤改良工事のため、約7万本の杭の打ち込みを計画しています。
県が防衛局に進捗状況を確認したところ、10月までに打設された杭は約2900本に留まっています。
また、工事自体も天候や波の影響で6月に中断されて以降、再開されていないとしています。
こうした状況に玉城知事は「完成が困難な状況が明らかになっている」と述べ、改めて移設計画を断念すべきと訴えています。
玉城知事:
工事の長期が懸念され、ひいては埋め立て工事全体を完成させることが困難な状況が明らかになりつつあると考えています
政府は、大浦湾側の埋め立てについて、工期を9年3か月と見込んでいますが、半年で打ち込まれた杭を約3千本とすると、杭の打設を終えるだけでも11年かかるペースとなります。
また工費についても、予算として示されている9300億円のうち、すでに5000億円以上が使われていますが、政府は予算を見直していません。
28日に着手した大浦湾の”埋め立て”については、既成事実化して計画が後戻りできないとする政府の思惑も透けて見えますが、計画の実行性に疑問符がつくことは否めず、今後の工事状況を注視していく必要があります。