金色のベルが奏でる澄んだ響きが、秋田市の聖霊学園高校の校舎に広がる。秋田県内で唯一のハンドベル部として活動する部員たちは、2026年に秋田で開かれる全国高校総合文化祭で「ハンドベルの魅力を伝えたい」と日々練習に励んでいる。“音を重ねる喜び”を追い求め、観客の心をつかむ音色を届けることを目指して。
県内唯一のハンドベル部
秋田市の聖霊学園高校ハンドベル部は、1991年、吹奏楽部の一部門として始まった。今では独立した部として存在感を放ち、県内唯一のハンドベル部として活動を続けている。
現在の部員は1年生と2年生合わせて11人。新体制となったばかりだが、互いの音を信じ合い、一つの旋律を紡ぐ姿勢は揺るがない。
音を重ねるチームワーク
「ハンドベルは一人一人の音を組み合わせて演奏するので、チームワークがとても大切」と語るのは部長の越田優花さん（2年）。
練習では集中し、楽しむときは思い切り楽しむ。そのメリハリが、部の雰囲気を温かく支えている。
62本のベルと多彩な奏法
部には62本ものベルがあり、曲によっては1人で8本を持ち替えながら演奏することもある。
奏法も多彩だ。クラッパーをはじく「プラック」、細かく前後に振る「シェイク」、マットに打ち付ける「マルテラート」。
振るだけではない表現の幅が、ハンドベルの魅力の奥深さを物語る。
季節を彩る演奏活動
クリスマスシーズン、ハンドベル部の演奏は地域イベントや学校行事を彩り、その音色で人々の心を温める。
さらに、2026年には秋田県で全国高校総合文化祭が開催される予定だ。ハンドベル部はその舞台で、全国の高校生たちに澄んだ音色を届けることを目標にしている。
12月7日には秋田市のあきた芸術劇場ミルハスで開かれるプレ大会にも出演予定で、観客に一足早い感動を届ける。
音色に込める願い 未来へ響く音
「ハンドベルの演奏を聞いたことがある人は少ないと思うので、少しでも魅力を伝えられたらうれしい」と笑顔を見せる部長の越田さん。
後輩も先輩も関係なく、一つのチームとして音を重ね、観客が「もう一度聴きたい」と思える演奏を目指している。
新体制となってまだ日が浅いものの「観客の心に届く音色を奏でたい」という思いは一つ。
きょうもまた、聖霊学園高校ハンドベル部の部室にはベルの音が鳴り響く。澄んだ響きは、未来へと続く挑戦の証となっている。
（秋田テレビ）
