ウクライナのイエルマーク大統領府長官は「ゼレンスキー氏が大統領であるかぎり、われわれが領土を放棄するとは誰も期待すべきではない」と語り、領土割譲を拒否する考えを明らかにしました。
アメリカの「アトランティック」誌は27日、和平協議におけるウクライナ側代表であるイエルマーク大統領府長官の単独インタビューを報じました。
この中で、イエルマーク氏は交渉の最大の焦点となっているロシアへの領土の割譲について、「ゼレンスキー氏が大統領であるかぎり、われわれが領土を放棄するとは誰も期待すべきではない。ゼレンスキー氏は領土を譲渡する文書には署名しない」と語りました。
さらに、「ウクライナの憲法が領土の引き渡しを禁じている。ウクライナ憲法と国民に背く意思がないかぎり、誰もそれを実行できない」と述べ、領土の割譲を拒否する姿勢を強調しました。
その一方、「ウクライナは、どこで境界線を引くべきかを議論する準備はできている。現時点で、現実的に議論できることは、前線を定義することだけだ」とも語りました。
アトランティック誌は、イエルマーク氏の発言について「和平合意に向けた交渉の余地を大きく狭めるものだ」と指摘するとともに、「領土という核心の問題では依然として隔たりが大きく、折り合いをつけるのが困難な状況だ」と分析しています。