「TOKIO」の元メンバー・国分太一氏が26日に行った会見について、国分氏と人テレビ側の主張の相違点や「挨拶をしたい」と呼ばれた場で降板を伝えられたことなどについて、専門家に話を聞いた。
青井実キャスター:
企業のリスク管理に詳しい桜美林大学の西山守准教授に話を伺います。国分氏の会見は冒頭、謝罪から入りましたが、どのように見ましたか。

桜美林大学・西山守准教授:
国分さんは誠実に答えられていて誠実に反省しているなということは伝わったのではないかと思います。ただ、まだ事実関係が全然明らかになっていないという状況で、モヤモヤ感はどうしても残ったなというのが一方であります。

宮司愛海キャスター:
国分さんは10月に日本日本テレビの対応を巡って日弁連に人権救済の申し立てを行っていますが、この会見の中で「(どの行為がコンプライアンス違反に当たるのか)答え合わせをさせていただき、本件と関係者にきちんと向き合いたいという気持ちから、日本テレビと協議を続けてきましたが、何一つかなわず今日に至っています」と説明しました。
日本テレビ「答え合わせは難しい」
宮司愛海キャスター:
そして先ほど日本テレビ側からコメントが出ました。

「本件につきましては、従来から申し上げているとおり、『コンプライアンス違反行為があった』ということ以上に公にできることはございません」
「私共は一貫して関係者の保護を第一に対応しており、何よりも関係者が自分の身元を特定され、“二次加害”がもたらされることに強い恐怖を感じております。その観点から、『答え合わせ』は難しいと考えております」
日本テレビはこのように発表しています。
青井キャスター:
西山さん、国分氏は「答え合わせをしたい」と繰り返しているのに対し、日本テレビ側は「答え合わせは難しい」とのコメントですが、どのように見ますか。
西山守准教授:
2つの視点があると思います。
日本テレビと国分氏の間で納得ができる合意が得られるということは、おそらく関係者の方々に二次被害が及ばない形でもできたのではないかなと思います。
一方で、世の中に発表していくとなると、やはり“二次加害”などは非常に気にする必要があるということですが、そもそも日本テレビと国分氏の間にちゃんとした合意対話がなされていないと感じられました。
国分氏側「突然聞き取りが始まり降板告げられた」
宮司キャスター:
降板を告げられるまでの経緯について、詳細が会見の中で明かされています。

まず国分さんが6月に「制作局長と番組プロデューサーが新しく変わるので挨拶をしたい」と呼ばれ、日テレに行きました。
その席で「コンプライアンスについて伺いたいことがある」と告げられ、その後コンプライアンス局の担当者や弁護士が現れて突然の聞き取りが始まったと。
そしてその聞き取り後に執行役員が来て降板を告げられた、このように国分さん側は主張をしています。

日本テレビはコメントで、「国分氏の代理人が私共とのやり取り等について、一方的な情報を流布するなど、代理人の言動に不信感を感じざるをえない状況下では難しいと感じておりますが、弊社社長福田としましても、『時期が来たら国分氏の話を伺いたいし、自分の気持ちをお話できればと思っている』と申しております」としています。
青井キャスター:
西山さん、日本テレビのこの対応はどう見たらいいですか。
西山守准教授:
国分さんの言い分を素直に受け取れるとすると、もう少しちゃんと対応するべきではないかなというふうに思いますが、日本テレビ側は少し違った観点を持っていて、国分さん側がちゃんとしていないから対話ができない、というふうに言っている。
そういった齟齬が生じていることが今回、会見という形で世の中に出てしまっているということですね。これはいずれにしてもあまり好ましいことではなく、やはり最初対話を行った上で納得を双方で得ていくということが第一歩で重要なことだったと思います。

宮司キャスター:
芸能界の労働問題などに詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士によると、国分氏は労働者ではないので日本テレビと国分さんの間に労働契約は適用されない。
法律的には「直ちに降板を告げる」「理由を告げない」「弁明の機会を与えない」ということは違法ではないということです。

フジテレビ報道局解説副委員長 平松秀敏:
ぱっと見では、日本テレビの対応は“だまし討ち”のように見えるじゃないですか。しかし、仮にヒアリングについて事前に国分氏側に伝えると、口裏合わせや証拠隠滅のおそれがありますから、日本テレビ側の対応としてはやむを得ないかなと思います。

SPキャスター パックン:
今こういうセクハラ・パワハラ的なことが発覚して、対応に探り探りな状態になっている。今後はおそらくタレントとテレビ局の間に、もう少し詳細が明記されてるような契約になると思うんです。
アメリカの契約は分厚いものなんですが、コンプライアンス違反があったときの対応もその中に明記される、そういう時代になっていく。我々は今、過渡期に立ってるかなと思います。
青井キャスター:
西山さん、今後日本テレビの対応はどういったことが求められると見ますか。
西山守准教授:
まず国分さんが記者会見をしたのは、法律的に解決ができないから世論を味方につけようとしたということが前提としてあると思います。
そうであればやはり法的な問題以上に、世論をちゃんと味方に付けていくということが重要であると思いますので、何らかの形で国分さんが不安不満に思っていることに対しては、ちゃんと理由として説明するという責任はあるとは思います。
(「イット!」11月26日放送より)
