福井県の杉本達治知事は25日午後4時から緊急で会見し、「私の言動により深く傷ついておられる方々に対して深くお詫び申し上げます」と謝罪し、セクハラ問題を受けて辞任すると発表した。
杉本知事を巡っては、県職員の1人が知事からセクシャルハラスメントが疑われる不適切な内容のテキストメッセージが送られたと外部窓口に通報していた。
これを受け、外部の弁護士3人による特別調査委員会が全庁職員約6000人を対象に知事からセクハラを受けたことがあるか見聞きしたことがあるかを問うメールでの調査を進めていて、その回答は11月10日に締め切られる予定だったが、調査結果の発表が12月以降になると発表された。
杉本知事は、調査を受ける中で「通報者及びその他の職員に対して、セクハラと思われるメッセージを送っていたという認識に至った」と説明。自らが出したメッセージがセクハラだったと認めた。
その上で、辞任を発表した理由について、調査報告が年明けになると、来年度予算の知事査定、人事、2月県議会など「県政に深刻な影響を与える」と話した上で、「12月県議会でもいろんなご審議を頂くが、私がそこで説明をする事になるのは適当では無いと考えたところです」と説明。「県政の混乱を少しでも抑えて、一日も早く新しい体制で県政を再始動して頂くために、私として知事の職を辞することを決意しました」と話した。
さらに、「通報をされた方、私の言動により深く傷ついておられる方々に対して深くお詫び申し上げます。また県民の皆様県議会の皆さま、県職員の皆様の信頼を大きく損ねたことについて心から謝罪を申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
杉本知事は6日の定例会見で、「私の言動についての通報で県民にご迷惑、ご心配をかけていることに心からお詫びを申し上げます」と、県民や県職員に対し謝罪をしていた。
しかし、送ったメッセージが不適切だったという認識があるのかを問われた際には、「私が一方的に自説を申し上げるのは調査に影響を与えると考えるので、コメントを控えさせていただきたい」と述べ、「調査委員会の報告書が出された段階で自身の口で説明する機会を設ける」と言及するに留めていた。