子供の頃にタイムカプセルを埋めたものの、開封しないままになっているという方もいるのでは?明治5年に開校した大野市の下庄小学校では先日、50年前の卒業生がタイムカプセルを開封しました。中からは、大人になって忘れかけていた夢や希望が詰まっていました。
11月15日、大野市の下庄小学校に続々と集まってきたのは、50年前の小学6年生36人です。1975年度(昭和50年度)の卒業生は当時、創立100周年を記念して中庭にタイムカプセルを埋めました。
卒業から50年が経ち、当時の自分たちに出会おうとタイムカプセルを開封することになったのです。
校舎は建て替えられ景色が移り変わる中、中庭で長い時を刻んだタイムカプセル。
現在の学校関係者にその存在を知る人はほとんどいません。
実行委員長の宮本豊彰さんは「壊してしまおうという話も出たそうですが、ちょっと待ってそれはあかんわ、ということで、この会を企画することになった。私たちが生きている中で、孫の世話とか介護とか生活の上で色んな苦労があろうかと思う。色んなことを語り合いながら還暦の後、セカンドライフの糧にしてもらえたら」と声を掛けました。
決心、清純、いのち。当時の6年生113人が1人1人、言葉を刻んだレンガで組み上げられたタイムカプセル。
皆、口々に「私、『愛』って入れてんて」「これですわ。『根性』って書いてあると思います」とレンガを見て懐かしみます。
セメントで固めたタイムカプセルには海苔の瓶が埋められていて、そこに全員の作文が入っていました。
配られたのは「10年後の私へ」と題した作文。
皆、恥ずかしそうに読みながら50年前の自分を振り返りました。
「フジテレビかNHKのカメラマンになりたいって書いてある
「歌手になりたいって。うまくやればもてるからって書いてある」
「10年後は自動車は電気で動いている」
「結婚は22歳か23歳。これを開く頃にはおそらく新婚ほやほや。(実際は?)30歳でした!」
「12歳のかわいい少年が書くようなことが書いてありました。懐かしくて、非常に心が若くなっていいなと」
中には、将来の夢や未来予想、好きな人の名前などが書かれていて、恥ずかしくて隠すようにこっそり読む人も。
夢や希望に満ちあふれていた 当時の自分に対面した50年前の6年生たち。時間を忘れて、思い出話に花を咲かせました。
「第二の人生の始まり」ともいわれる還暦を過ぎた36人にとって、大きな節目の1日となったようです。