敦賀市で22日、23日に行われたプロバスケットボール「福井ブローウィンズ」のホーム戦に、 リトアニア大使が来場しました。かつて“命のビザ”で結ばれた福井とリトアニアが、バスケットボールを通じで新たな国際交流を図りました。

敦賀市で行われた福井ブローウィンズのホーム戦の会場を訪れたのは、リトアニア共和国のオーレリウス・ジーカス駐日特命全権大使です。
  
ジーカス大使は「敦賀市は何回も来ていて大好き。敦賀とリトアニアはつながりがあり、来ると心が落ち着く」と語りました。
  
この試合のテーマは「Connecting history GAME」。バスケットボールを通して、いわゆる“命のビザ”でつながった福井とリトアニアの関係を改めて見つめ、国際理解を深めようという取り組みです。

1940年、日本の外交官・杉原千畝は当時、赴任していたリトアニアでナチスの迫害にさらされたユダヤ人にビザを発給。多くの人がその“命のビザ”を頼りにリトアニアを脱出し、長い避難の旅の末にたどり着き、保護を受けたのが敦賀港でした。
 
こうして福井とリトアニアは人道支援の歴史で深く結ばれているのです 。


試合会場では、リトアニアの伝統料理「チェブレカイ」が販売されました。この料理を作った「la clarte KAGURA」の坂下政典シェフによると「生地で包んだ豚肉を調味した料理で、簡単に言うと揚げ餃子のような感じ」だといいます。
  
来場した人は「(チェブレカイは)食べたことがないか興味本位で…おいしそう!」「杉原千畝さんのことは聞いたことがあるが、人道の港 敦賀ムゼウムに行ったことがなくて、明日も来るので時間があれば行きたい」と話していました。

試合前には、今シーズンからブローウィンズに新加入したリトアニア出身のラポラス・アイヴァナーカス選手が、人道の港 敦賀ムゼウムを訪れました。
 
杉原千畝が駐在した日本領事館のある地域の出身ということもあり、展示に並ぶ命のビザの資料を熱心に見つめていました。

その後行われた、福岡との一戦。
  
後半、15点を追いかける苦しい展開となりますが、アイヴァナーカス選手が試合の流れを変え、1点差まで迫った福井ブローウィンズ。
  
残り0.7秒で一瞬の攻撃にすべてをかけますが、今シーズン初の敦賀での勝利に一歩届きませんでした。
  
アイヴァナーカス選手は「応援ありがとうございました。福井県の色んな地域で試合ができることはうれしい」と語りました。

23日は福岡に75-71で勝利したブローウィンズ。
 
スポーツも国際交流を担う時代。ブローウィンズは地域と世界を結ぶクラブとしても次の一歩を踏み出しています。

福井テレビ
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