冬の時期に注意な「冬季うつ」。日照時間が短くなるのに伴い脳内物質の分泌量が変わるのが原因で、誰にでもなる可能性があります。その症状や対処法について専門医が解説します。


◆日照時間が短さが「うつ」発症の要因に

秋から冬にかけてぐっと短くなる日照時間。夏と比べると、冬は5時間も短くなります。これが「冬季うつ」の発症や悪化につながるケースも。
  
福井市内にある「こころの森病院」の堀江端医師に話を聞きました。
   
冬季うつの症状について堀江医師は「普通のうつ病と似ている」といい、意欲や気分の低下、興味・関心の喪失などが挙げられます。

◆過眠、過食になる傾向

しかし、異なる点も。「普通のうつの場合は食欲の低下や睡眠障害としての不眠が強く出てくるケースが多いが、季節性のうつの場合はむしろ過眠、過食という症状が現れることが多い」と堀江医師。
  
日照時間が短くなることで、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減少。すると、糖質を補おうと食事を多く取る傾向があるといいます。また、暗い時間帯が延びることでメラトニンという睡眠に関わるホルモンが多く分泌され、過眠を引き起こすといわれています。
 
堀江医師はこれらの症状により、日常生活に支障をきたす場合は早めに医師に相談してほしいとしています。

◆起きたらまずカーテンを開けよう

これからさらに日照時間が短くなるため「朝早くカーテンを開けて日光を浴び、日が出ているときに散歩に行くのがいい予防法」と堀江医師。
     
特に北陸の場合は冬は晴れることが少なく日光をたくさん浴びるのが難しいですが、朝起きたらカーテンを開けるなどして積極的に日光を浴び、規則正しい生活を心掛けましょう。

福井テレビ
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