各地で紅葉が進んでいます。
『恋人の聖地』としても知られる下益城郡美里町の二俣橋(ふたまたばし)は、8月の記録的大雨で橋は被災しましたが、木々はきれいに色づいています。
橋のたもとのカフェと併せてご紹介します。
こちらは8月11日の映像です。
記録的大雨によって濁流とともに大量の木々や岩が押し流され、二俣橋は欄干の一部が損傷するなどの被害が出ました。
あの日から3カ月余り。
今週月曜日に再び訪ねてみると。
【寺田 菜々海 アナウンサーリポート】
「二俣橋の際にあるイチョウの樹は黄色く色づいていて見頃も近そうです。樹の根元には3カ月前の大雨のときに流されてきた流木がそのまま残っています。そして橋にも木々が引っかかっています。大きなものは取り除かれているんですが、いまだ通行止めとなっていて被災の傷跡が残されています」
江戸時代後期に建造された二俣橋は県指定の文化財で、『二俣渡(ふたまたわたし)』と『二俣福良渡(ふたまたふくらわたし)』の二つの橋で構成されています。
美里町によりますと、復旧は来年度以降になる見通しでまだ道のりは遠いものの、周辺のイチョウなどは今年も順調に色づき、訪れる人の目を楽しませています。
【見物人】
「見事ですよね。こんなに大きいと思わなかった。イチョウが…石橋と合っていて、きれい」(夫)「(橋が)壊れてしまわなくてよかったですよね」
二俣橋といえば、名物は、秋から冬にかけて正午前の約30分の間だけ映し出される『ハートの光』。
大雨により橋が一部崩れたことで変形してしまうのでは、と心配されましたが…。
日が差し込むと『ハート』がくっきり。
黄葉と『ハート』の競演は今年も健在です。
そんな二俣橋を一番近くで見守るのが…こちらの古民家カフェ。
『Tika(ティーカ)scone&cafe(スコーンアンドカフェ)』海外で調理師として働いていた経験を持つ地元出身の亀本 多希(かめもと たき)さんが「美里町を訪れる人たちに喜んでもらいたい」と今年7月に開業しました。
自慢のスコーンは、美里町産のお茶や生姜を使ったものなど7種類。
焼きたての甘い香りが店内を包みます。
【寺田 菜々海 アナウンサー リポート】
「サクサクしっとり。お茶のいい香りがしますね」「こうして紅葉を眺めながらいただくとよりおいしく感じます」
このほか、日替わりのランチボックスももみじ狩りのお供におすすめです。
亀本さんは「橋が傷ついている今だからこそ店の営業を通して盛り上げていきたい」と話します。
【亀本 多希さん】
「橋を見ていただくためにここにお店を構えたので、(橋を)応援する場所としてまだここで生きていられるというか。もしここ(お店)が被災していたらそれはかなわないので。ここだけがかろうじて残っていることにも意味があるのかなと思う」
美里町によりますと、二俣橋の黄葉の見頃はあと1週間程度とのこと。
今だけの特別な景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。