20日午後、ブラジル北部のベレンで開かれている気候変動対策を話し合う国連の会議、COP30の会場で火災が発生しました。

各国の代表らが避難する事態となり、現場は騒然となりました。

地元メディアによると、火災は各国の展示スペースや各国代表団が協議を行う会議場などがあるエリア内で発生しました。

映像では、天井まで燃え上がる真っ赤な炎は勢いを増していき、周囲には緊迫した声が飛び交う様子や、消火器を持った人たちが駆け付け消火活動をする様子も確認できます。

この火災の影響で会議が一時中断し、会場内にいた日本を含む各国の代表団、来場者らが屋外に避難しました。

当時は約200カ国の代表が再生可能エネルギーなどについて協議中だったといいます。

会場内に設置された防犯カメラの映像では、画面奥から炎が燃え上がり、わずか1分ほどで広範囲に煙が充満していくのが分かります。
周囲にいた人たちも異変に気が付き、慌ただしく避難しています。

火は約6分で鎮圧されましたが、煙を吸い込んだとして13人が治療を受けたということです。

火災を目撃した人は「どうやって外に出ればいいのか、全く分からなかったんです。みんな逃げ回っていて『火事だ』と言っていましたが、出口が全く見えませんでした」と話していました。

国際会議の会場を大混乱させたこの火災の原因について、現地メディアは消防当局の話として、電子レンジなどの電気機器から出火した可能性を報じています。

また、ブラジルの観光大臣によると、火元は中国ブースの近くだということです。

一方、今回のCOP30を巡っては、会場の外では気候変動対策の強化などを求める人たちが連日集結していました。

緑や赤の旗を掲げて大規模デモを行っていたのは、アマゾンの先住民、環境活動家や市民らです。

先住民らは、自らの生活圏である熱帯雨林が伐採や気候変動によって脅かされているなどとして、環境保護を訴えました。

11日には、デモ隊が会場へ押し入ろうとして警備員と衝突が起きました。

さらに14日には、会場入り口を封鎖し座り込みの抗議デモが行われるなど混乱が続いていました。

そうした中で起きた今回の火災。
COP30は21日に最終日を迎えますが、交渉も難航しており会期の延長もささやかれています。