河村たかし前市長が計画を中止させていた、天白区の里山・相生山を貫く道路。広沢一郎市長は21日、一般の車が通行できる形で開通させる方針を表明しました。
広沢名古屋市長:
「弥富相生山線は緊急車両はもちろん、一般車の通行も可能といたします。自然環境と人の暮らしが共生する相生山の道を目指し、折衷案の整備を行ってまいります」
相生山緑地を横断する「弥富相生山線」は、およそ8割の工事が進んでいましたが、河村前市長が初当選翌年の2010年に環境への影響などを理由に中断させ、その後、緊急車両や歩行者などに限り通行できる形で道路をつなぐことなどが検討されていました。
21日の市議会本会議で広沢市長は、未着工の部分はヒメボタルの生息地に影響しないよう橋をかける形にし、繁殖の時期の夜間は通行を規制するなど配慮したうえで、一般の車も通行できる形での開通に向けて工事を再開する考えを示しました。
道路の完成を求める団体の杉藤清行さん:
「このまま抜けると、1分以内に(反対側の)菅田橋まで行ける。(今は)大体13分くらい。安全性と地域の人の足として、1日も早く完成させていただきたい」
工事再開を求めていた住民から歓迎の声が上がる一方、反対派からは、河村前市長の後継者を謳った広沢市長の方針転換を非難する意見が聞かれました。
相生山緑地を考える市民の会の福井清さん:
「急に河村前市長と反対の話をされたということで、ある意味で公約と全然違うことをやっていることにおいては非常に残念でたまりませんし、本当に撤回を求めたい」