21日午後3時ごろ、羽田空港に姿を見せた高市首相。
22日に開かれるG20サミットに出席するため南アフリカへ出発するのを前に、午後1時半、報道陣の取材に応じました。
首相に就任してから今日で1カ月、受け止めを問われると「なんとしても補正予算を成立させ、暮らしの安心を国民に届けたい。まずはそのことに最優先で取り組ませていただく」と述べました。
一方、自身の答弁をきっかけに悪化する日中関係について、記者から「G20には中国の李強首相も出席予定ですが、日中関係についてどのような協議を行いたいとお考えか」と問われると、「中国につきましては先月末、私と習主席との間で戦略的互恵関係の包括的推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性を確認した。こうした考えに一切変わりはございません」とし、さらに「台湾有事が『存立危機事態になり得る』とした総理の国会答弁に中国側の反発が出ていますが、受け止めと答弁を撤回するお考えがないか改めて伺います」といった質問には、「ご質問にあった、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府がすべての情報を総合的に判断するということになります。こうした説明は平和安全法制成立当時の安倍総理以来、政府としては繰り返し述べてきた通りでございます。私自身もこの答弁を繰り返して申し上げております。政府の立場は一貫しております。以上です」と、政府の立場は一貫していると強調しました。
こうした発言に中国側が「もし日本側が中国と戦略的互恵関係の発展を望むなら、誤った発言を撤回するべきだ」と早速、反応。
解決の糸口が見えない日中の関係悪化。
影響は21日も…。
JETRO(日本貿易振興機構)が関わる現地のイベントは、中国側の意向もあり約20件がキャンセルに。
さらに、中国国際航空が11月末から毎日運航していた大阪と上海を結ぶ便を週2日に減便することが新たに分かりました。
中国政府が日本への渡航を控えるよう呼びかけたことの影響とみられていて、中国国営テレビは、日本行きの航空券のキャンセルがすでに54万件を超えたと伝えています。
そして、中国側は宣伝戦の一つとして展開しているのが、中国軍がSNSに高市首相をやゆする動画を投稿。
他にも、爆弾を持った高市首相が沈んでいくアニメ動画も。
高市首相を攻撃する情報戦に日本側は「必要なことは2つ、冷静に対応することと必要があれば措置を講じることだ」「情報戦だ。日本は無視しかない」と話しています。
22日から開かれるG20サミットに出席するため、21日午後に日本を出発した高市首相。
外務省幹部は、現地で中国の李強首相と接触する可能性について期待感もにじませています。
しかし、中国側は「会う予定はない」としていて行方が注目されます。