福島県内で相次ぐ交通事故について考える。2025年は県内で多くの交通事故が発生している。件数は前年の同じ時期を300件超上回っていて、日が短くなるこれからの時期は特に注意が必要だ。
なかでも今年の特徴は歩行者の被害、それも道路の横断中の事故が多いという点だ。11月15日には会津若松市と矢祭町で、横断歩道のない道路を渡っていた歩行者が車にはねられ死亡する事故が相次いで発生した。17日までに県内の交通事故による死者は49人となっていて、歩行者が占める割合が高くなっている。
1件でも多く死亡事故を防ぐ為には「歩行者」「横断中」というのがポイントになる。全ての警察署である取り組みが始まっている。
■福島市の横断危険箇所
福島市仲間町の交差点。国道4号線にあり市内でも交通量の多い場所だ。午前8時前、通勤の時間帯と言うこともあって車の交通量は非常に多い。また周辺に学校も多いので、通学する生徒の姿も多く見られる。
横断歩道や信号機が設置されているが、車の運転手はある点に注意が必要だ。
<交差点の角度>
福島県警察本部交通企画課・安部明調査官は「右折して4号線に入る際に角度がついて鋭角に右折するようになるんですけども、その場合右後ろの確認がしづらい。(歩行者は)自分が青でも車も青で右折左折してきますので、車の動きをよく確認して横断歩道を渡るようにしてほしい」と話す。
死角によって生まれる事故の危険性。事故を防ぐには運転手・歩行者双方の注意が求められる。
<歩行者横断危険箇所マップ>
県内のどのような場所で事故が発生しているのか?それを一目で分かるよう警察が作成したのが「歩行者横断危険箇所マップ」だ。
県内全ての警察署で過去5年間に事故が発生した地点をまとめ、横断歩道と信号機の有無を表示。マップを確認してもらうことで、事故防止の意識を高めてもらう狙いがある。
福島県警察本部の安部調査官は「このマップは歩行者だけでなくて、車の運転手さんにも有効でありますので、運転手や歩行者の方両方に見ていただいて、こういうところで事故が起きているんだなというのを分かっていただいて、参考にしていただければと思います」と話した。
マップは福島県警察本部のHPで閲覧できる。
■横断事故防止の三段活用
横断事故の防止に警察が呼びかけているのが三段活用だ。
・横断歩道のない場所では車が通過するまで待ちましょう。
・横断歩道だけで信号機がない場所では、自分の存在を知らせることが大切。手を上げて「渡りたい!」と意思表示をしよう。
・そして横断歩道と信号機があっても安全確認を忘れずに。横断中のながらスマホは危険だ。
横断歩道がない場所での事故は、死亡率が高いことが特徴となっている。
また、今年は飲酒運転による事故も増加している。ひとりひとりが事故を起こさない、そして事故に遭わないための行動を心掛けることが大切だ。