全国で相次いでいるクマによる被害。その目撃情報は、多くの観光客が訪れる奈良公園の近くでも。
紅葉の季節、多くの観光客でにぎわう奈良公園。
シカにせんべいをあげたり写真を撮ったり、みなさん奈良を満喫しているようですが、実はこの近くで、ドライブウェイを走っていた人から「道路を横断しているクマを見た。ライトを照らすと逃げた」という目撃情報が。
専門家によると、個体数が増えたことによりクマの生息域が拡大。さらに観光客が置いていったごみなどを食べて、人間の食べ物の味を覚えたことで、クマが平野部まで下りてきている可能性もあるということだ。
クマへの警戒はいつまで続ければいいのだろうか。
■商業施設にクマが侵入し、売り場に居座りも
全国で連日伝えられるクマ出没のニュース。
16日、秋田市の住宅街の道路で撮影されたクマ。
また、秋田県能代市では、16日午前、商業施設にクマが侵入し家具売り場付近に居座りった。侵入からおよそ3時間後、県の担当者が麻酔吹き矢を使って捕獲しその後、駆除された。
さらに仙台市では、15日、仕掛けたわなにクマがかかりました。すぐ近くでみつかった子グマとともに駆除された。
■大学のグラウンド付近でクマ目撃情報も
東北だけでなく関西でもクマの目撃情報が相次いでいる。
京都産業大学広報部 嶋田秀人課長:この辺りで目撃情報がありました。
今月14日午後6時半ごろ、京都市北区にある京都産業大学のグラウンド入り口付近で「クマらしき動物を目撃した」と学生から情報があり、大学は施設の使用を停止する事態となった。
京都産業大学広報部 嶋田秀人課長:本当にクマかどうかわからないと状況。ただ学生の課外活動や授業、大事な活動なのでできるだけ安全に配慮、警備強化しながら進めていく。
■奈良公園から数キロ圏内での目撃情報も
一方、今年度2件のクマによる人への被害が出ている奈良県。
奈良市内でも昨年度、目撃情報はゼロだったが、今年度はすでに32件に。奈良公園から数キロ圏内での目撃情報も寄せられている。
市の職員が確認したところ、イノシシの足跡があり、実際にクマは確認できていないが、警戒を強めている。
記者リポート:こちら若草山の頂上付近なんですけど、あちらに『熊出没情報あり』とかかれた紙が貼られています。
市は、案内版のほかSNSなどでも注意を呼び掛けている。
東京からの観光客:来ないことを願うしかないですね。
愛知からの観光客:まさかこんな人がいるところにすごいですね人もシカも襲われたらちょっと心配だね。
茨城からの観光客:京都の方でもクマが出たと言ってたけど心配だったんですけどね。おっかないですね。
■なぜ目撃情報が相次いでいるのか
なぜ、今年になって奈良市内でもクマとみられる動物の目撃情報が相次いでいるのか。
森林総合研究所 大西尚樹さん:北の方の京都府北部、紀伊半島の南部、もしくは岐阜県の方の個体群で個体数が増えてきた。それでそこでは手狭になってしまってそこから出てきた何頭かが長距離で移動してきて目撃されるようになったということだと思います。
専門家によると、個体数が増えたことによりクマの生息域が拡大。
さらに観光客が置いていったごみなどを食べて、人間の食べ物の味を覚えたことで、クマが平野部まで降りてきている可能性もあるということだ。
では奈良公園にクマが出没すると、シカにはどんな影響があるのか。
森林総合研究所 大西尚樹さん:ツキノワグマは、それほど大きい体ではない。オスの大人のような体格の大きいシカを自分で積極的に襲って食べれるほどのハンティング能力ではないですただ、弱っているシカとか、子鹿とかがいれば襲う可能性はゼロではないです。
関西の観光地でも相次ぐ“クマ”の目撃情報。
奈良県は、近隣住民や旅行者に対し、ごみの管理の徹底や山への立ち入りなど注意を呼びかけている。
■「クマは来月中には冬眠に入るので、年内は警戒が必要」
奈良市などは、「クマ目撃情報マップ」を作成し、ネット上で公開している。
オレンジ色が奈良市内で、目撃された日時やその時の状況などを詳しく見ることができます。ちなみに、16日も奈良公園近くで小グマらしき動物が目撃されたということだ
共同通信社編集委員 太田昌克さん:もう完全にフェーズが変わってしまいましたよね。実家が富山ですが、平野部の実家からわずか3キロのところにクマが出現しちゃって、こんなこと初めてです。最悪の事態に備えて、事前情報もキャッチしながら守る術を取っていただきたいですね。
クマへの警戒はいつまで必要なのか。
森林総合研究所大西尚樹さんによると、「クマは来月中には冬眠に入るので、年内は警戒が必要」ということだ。
これまで目撃されていなかったところでも、クマの目撃が確認されているところもあり、警戒が必要だ。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年11月17日放送)
