12月に予定されている伊東市の市長選挙。少なくとも7人が立候補する見通しで、候補者の多さから「再選挙」の可能性も浮上しています。
11月17日午後1時半、伊東市役所で開かれたのは立候補を予定する陣営に向けた説明会です。
元職や新人などあわせて12陣営が参加しました。
伊東市議会・中島弘道 議長:(10月31日)
本案を原案の通り、決定することに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数であります。よって発議第8号市長に対する不信任決議は可決されました
学歴詐称問題を発端に議会から2度の不信任を突き付けられ失職した田久保眞紀 前市長。次の市長を決める選挙は12月14日に行われます。
すでに立候補を表明しているのはスポーツインストラクターの石島明美さん。
元市議の杉本憲也さん。
薬局チェーン顧問の黒坪則之さん。
元市長の小野達也さん。
NPO法人代表の岩渕完二さん。
また田久保前市長も19日に立候補を表明する考えを明らかにしているほか20日には元観光団体役員の利岡正基さんも出馬会見を予定していて7人以上による選挙戦となることはほぼ確実な情勢です。
1947年8月、当時の伊東町と小室村の合併によって誕生した伊東市。
市によるとこれまでに21回の市長選が行われています。
ただ立候補者数は第1回の5人が最多。
直近5回は一騎打ちが続いていてこのままいけば過去最多を更新するのは間違いない状況です。
こうしたなかいま懸念されているのが…。
公職選挙法の規定では市長選の場合、有効投票数の4分の1以上の得票者がいない場合再選挙を行うことになっています。
総務省によると、1952年に現在の規定となって以降、再選挙になった首長選は全国で7例あります。
2003年4月に行われた札幌市の市長選挙は過去最多の7人が立候補。
最多得票の候補者が有効票の4分の1に届かず政令指定都市の市長選として初めて再選挙が行われました。
2カ月後の再選挙には7人のうち2人が再出馬、新たに2人が立候補し4人による選挙戦に。
その結果4月の選挙で最多得票を得た候補者が当選を果たしました。
候補者の乱立が予想される伊東市長選。
どのくらいの票を獲得すれば再選挙を避けられるのでしょうか。
伊東市選挙管理委員会・鈴木康之 事務局長:
この前行った市議選の有効投票数総数が3万3140票。4分の1だと8258票以上取らないといけない
有効票が増えればそれだけ票を獲得する必要があります。
また伊東市は市長選の経費として3700万円の補正予算を専決処分していますが、再選挙となればその費用が再びかかることに。
それだけはなく市政の停滞はさらに長期化することになります。
伊東市・近持剛史 企画部長:
急な市議選、そして市長選。職員の負担はかなり大きい
伊東市・木村光男 総務部長:
現状、年度予算の編成を通常とは違う形で考えているので、(再選挙で)さらに遅れるとなれば間違いなく骨格予算しか組めない
前市長の学歴詐称が問題となってから約5カ月。
混乱が続く伊東市政を前に進める次の市長を決める選挙は12月7日告示、14日に投開票を迎えます。