人口減少に伴い秋田県内の企業は人手不足に悩まされています。
こうした中、働き手の確保に役立つと期待されるのが「スポットワーク」です。「スポットワーク」は、働きたい日に好きな時間だけ仕事ができる新しい働き方で、働く人の「働きたい時間」と企業の「働いてほしい時間」をマッチングするサービスが全国的に広がりを見せています。
人手不足などの課題を抱える32道府県の自治体と連携協定を結んでいるのが、東京に本社を置くスポットワーク紹介サービス業界で利用率トップの「タイミー」です。県内では2025年8月に男鹿市と締結しました。
新たにタイミーとの協定締結を目指しているのが仙北市です。地域が抱える課題や協定締結を目指す狙いを取材しました。
タイミー・下間匠さん:
「地域ごとの労働力不足の解消や多様な働き方の推進、地域活性化につなげていけると考え各自治体と協定という形で連携している」
タイミーでは、子育て中の人や高齢者などフルタイムや固定のシフトで仕事をするのは難しいものの働きたい意欲がある人たちを人手不足に悩む企業とつなぐことを目指しています。
また、若い世代にもスポットワークを通じて地元の企業を知ってもらいたいと話します。
タイミー・下間匠さん:
「連携を結んだ後、地域の事業者・住民に向けたセミナーや様々な形での周知を通じて、地域の中でスポットワークを広げていく。各地域の課題に応じて一緒に取り組みを進めていきたい」
県内で新たにタイミーとの協定締結を目指しているのが仙北市です。
仙北市商工課・高橋禎人さん:
「市内では、観光需要や農業など人手不足が課題となっている。高齢化率が高く、子育て世代も暮らしに合わせて短時間だけ働きたいという潜在的な人材も多いと思う。働き手と現場の『今すぐ人手が欲しい』を結ぶ仕組みが必要と判断し、タイミーとの協定を目指している」
仙北市では、すでにタイミーを活用している事業者もあります。田沢湖スキー場に隣接する「田沢湖スポーツセンター」です。
冬のスキーシーズンのほか、部活動の合宿や学校の宿泊研修の予約が集中する夏場を中心にタイミーで人材を募集。主に食事の準備や配膳などを担ってもらっています。
田沢湖スポーツセンター・民谷資郎さん:
「他の求人ではなかなか来てくれないので、隙間時間で働きに来てほしいとタイミーを利用した」
繁忙期と閑散期で仕事量の差が大きく、常に多くの従業員を抱えることが難しいため、必要な時だけ働き手に来てもらえる点が役立っているといいます。
田沢湖スポーツセンター・民谷資郎さん:
「何回も来てくれる人もいるし、仕事をてきぱきやってくれて助かっている」
協定の締結を前に、タイミーの担当者から導入を検討している事業者に向けてサービス内容の周知が進められています。
この日は2025年8月に仙北市の「森の駅」の一角にオープンしたパスタ専門店「リベルタ・リベルタ」でオンライン説明会が開かれました。
「リベルタ・リベルタ」も人手不足に悩まされています。
店を運営するリベンリ秋田・櫻井誠社長:
「今6人に働いてもらっていて、週末は入れるスタッフがいない。1日に店を回すのは基本2人ということがベースになっているので、片方のスタッフが例えば病気などで休みになると代わりがいない限りは店を休まないといけない。うまくサポートできる仕組み・サービスがあればと思っていた」
今回の説明会をきっかけにタイミーの利用を始めることを決めました。
店を運営するリベンリ秋田・櫻井誠社長:
「利用者のボリュームが増えることでメリットが出る仕組みだと思うので、県内で増やしてもらうことで自分たちも助かると思った」
仙北市では、2026年1月の協定締結を目指し、準備を進めています。
仙北市商工課・高橋禎人さん:
「タイミーにより労働力の確保だけでなく仙北市を知ってもらうきっかけになればと考えている」