11月半ばを迎えても後を絶たない、クマによる被害。
冬眠する季節までの辛抱と思いがちですが、この先、冬眠しないクマが増える可能性があるといいます。
一般的に本州に生息するツキノワグマが冬眠に入るのは11月下旬から12月ごろ。
しかし、冬眠しているはずの2024年の年末年始、秋田県ではクマの目撃情報が前年の13倍に上りました。
2024年12月28日に秋田・美郷町でクマを撮影した人は「1メートル以上…かなり大きかった。最初大きい犬かと思った。痩せていなくて丈夫だった」と話していました。
雪の上を疾走する太ったクマや、吹雪の中でも出没するクマ。
さらに、犬が目の前で吠えても動じることなく、柿の木の下で何かを食べる姿も。
クマは立ち上がり、カメラの方をじっと見つめ、しばらくすると雪の中を走り去っていきました。
2025年は全国でクマの出没件数が過去最高に迫る勢いで、死者数はすでに過去最多の2倍以上になっています。
さらに専門家が指摘するのは“眠らぬクマ”の存在です。
2025年は全国で過去最多のペースでクマが出没している中、“眠らぬクマ”が増える可能性があるといいます。
酪農学園大学・佐藤喜和教授:
森の中のエサが十分足りていないので、おなかがすいているから、人の生活圏の中で常にクマが食べられるものがたくさんあるような状況が続けば、ずっとそれを食べて“冬眠しない”という可能性もある。
一方、人里に慣れてしまったクマが、山に帰らずに集落の茂みなど人の生活圏で冬眠してしまう可能性もあるので注意が必要だといいます。
酪農学園大学・佐藤喜和教授:
寝ている場所にどんどん人が近づいてくることがあれば、冬眠から覚めて動いて逃げるということがあり得る。家の敷地の周りの草刈りなどをきちんとしたり、クマが好む食べ物がある場合は、はやめに収穫したり、畑なら電気柵をしたり。クマが入りにくい地域づくりを個人のレベル、地域のレベルで進めていくことが大事。