高市政権の物価高対策を柱とした総合経済対策の取りまとめに向けた協議が進められています。
ガソリン・軽油の減税、おこめ券などの想定交付金、そして電気・ガス代の補助などがあるわけですが、果たして我々の生活はどうなっていくんでしょうか。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長と見ていきます。

具体的な対策を見ていく前に、心配なニュース。
内閣府が発表した2025年7月から9月までのGDP(国内総生産)の速報値が、物価変動の影響を除いた実質で前期比マイナス0.4%ということになりました。

1年間続いた場合の年率換算ではマイナス1.8%ということで、これは6四半期ぶりにマイナスに転じる結果となったんです。

青井実キャスター:
2024年の1月から以来ということですが、どう受け止めますか?

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
これは市場関係者などの間ではほぼ想定されていた内容で、予想通りトランプ関税の影響がすごく出たなという内容ですね。自動車の輸出が落ち込んで、輸出がマイナス1.2%となって全体を押し上げたと。それから、GDPの半分以上を個人消費が占めるんですけれども、猛暑の影響で飲み物の消費は増えたんですが、秋物の衣料が奮わずプラス0.1と、小幅なプラスにとどまったという。

宮司愛海キャスター:
こういったことがあると、ますます物価高対策、どんな対策をとってくれるのだろうということが気になってきます。18日からまた一層寒くなるわけですが、そんな中で、高市首相も「これまでよりも金額を上げる」と話しているのが電気・ガス料金の補助です。
政府関係者によりますと、標準的な家庭で、2026年1月からの3カ月間で6000円程度を補助する方向で調整しているということがわかりました。

青井実キャスター:
電気・ガスの補助はこれまでもあったな、と皆さん思うと思うんですが。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
政府による電気・ガスの補助は、2025年は石破政権のもとで1月から3月、それから7月から9月に行われたんですが、高市政権のもとでは、この夏の分を倍増させる形で月平均にすると2000円程度補助する案を軸に調整をしているということです。

宮司愛海キャスター:
実際、どれくらい安くなるのか、東京を例に見ていきます。
夏の補助の倍の補助が出ると考えると、人数や戸建て、それから集合住宅などで変わるわけですが、東京都世帯の電気・ガスの1月の使用料をもとに計算するとこのような試算になります。
例えば、3人家族の場合で集合住宅に住んでいると、3カ月間で7500円くらい安くなると。
例えば一戸建て住宅、3人家族だと9918円と、1万円近くは安くなるという試算が出ています。

青井実キャスター:
今回の経済対策も、全体の規模は17兆円を超えて膨らむ見通しということですが、十分な物価高対策になるのか。これに対してはどうお答えになりますか?

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
確かに、電気・ガスの補助とかガソリンですね、これはエネルギー負担を減らしてくれる。あと地方への交付金で想定されている商品券とかおこめ券は、お買い物での消費を軽くしてくれるものなので、家計への負担軽減効果はそれなりにあると思うんですね。ただ、物価高で実質的に所得が目減りしている現状では、低所得者の方にもっと重点的に支援を行うべきじゃという声も上がっているということですね。

宮司愛海キャスター:
経済に詳しい智田さんから見て、一番いい物価高対策の手段というのはどういったことになりますか?

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
なかなか難しいですよね。現金給付だと貯蓄に回っちゃうよという部分があって、必ずしも消費の下支えにはつながらない。消費税とか給付付き税額控除とか、税に関わる分野というのは与野党で協議していかなきゃいけないので、仕組みを変えていくのに時間がかかるということで、今回の対策は即効性を重視して、補正予算でのメニューを組んだという形なんですけれども、物価高の中で景気を上向かせていくためには、高市首相が掲げる成長戦略で企業が成長して収益を上げて、その環境をもとに賃上げが進んで消費にお金を回すようになるというサイクル作りができるか、ここが一番これから問われてくるのかなと。

青井実キャスター:
高市さんカラーが出てくるのはこれからなのかもしれませんが、高市首相の真価が問われる物価高対策、補正予算も含めて少数与党の中、通せるかというところですね。

SPキャスター 岩田明子氏:
まだいろいろと議論は続いているところですが今、国対レベルでは11月26日にクエスチョンタイムを入れることで成立につなげようという動きが進んでいますよね。

青井実キャスター:
野党の立ち位置としてはどうでしょうか?

SPキャスター 岩田明子氏:
規模感をもう少し増やせという声もあるのかもしれませんが、とりあえずQTで質疑をするということなんでしょうね。