連携欠如も一因か…

連立離脱は「政治とカネ」の問題だけが要因なのか。
公明党の元議員・池坊保子さんに話を聞いた。

池坊さんは、最大・最古とされる華道の流派、池坊の家元夫人で、16年にわたり創価学会員ではない公明党議員として活躍した。現在は相撲協会の横綱審議委員を務めていて、自民党議員と深い交流がある。

池坊保子さん:
私は離脱でスッキリしました。良かったんじゃないの。斉藤代表、偉かったよね。よく決断した。高市総理の執行部の中に、公明党を理解している人が少なかったんじゃないか、その辺で連携が密に取れなかったんじゃないかという感じがします。

さらに、自公連立の“蜜月時代”を知る自民党の大島元衆議院議長にも取材した。

大島元衆議院議長:
率直に言って残念。公明さんの政治とカネの問題の非常に厳しい姿勢というものを、どの程度、自民党全体としてそのことを受け止めたかどうか。

大島さんは長年、幹部として連立政権に携わり、公明党の幹部だった漆原氏との深い関係は「悪代官・越後屋」と呼び合う仲だった。

大島元衆議院議長:
高市総裁に決められた後、その前からでもこの危機感の共有を自公でしてみて、何をどうすべきか話し込んでよかったんではないか。

大島さんと池坊さんに共通するのは、“自民党側からの緊密な連携が足りなかった”との認識だ。

党支持者に“不満”

池坊さんは、公明党支持者の中にあった「不満」も指摘する。

池坊さん:
公明党は、特に(創価)学会の方は婦人部(=現女性部)の方がすごく応援してくださる。私利私欲ないから、本当に日本のために良くしたいと考えているので、「自公だから応援しようよ」と言われたら、「嫌だな」「変だな」と思いながら、自公の連立のためには応援しようと思っていた方がたくさんいたのではないか。

連立離脱後の演説会で支持者の声を聞いてみると、「公明党はもともとクリーンな政党。初心に戻って、これからまた、活躍していただけるかなって期待を持っている」などの声が聞かれた。

「政権代われば連立戻りたい」本音も

ある公明党関係者は、「選挙で自民党の不記載問題の影響を受けたという不満が、高市総理によって爆発することになった」とオフレコで“内情”を明かした。

公明党関係者:
連立離脱の流れができた大きな要因は、公明党の支持母体である創価学会の不満や、衆院選・都議選・参院選の3連敗で運動員が相当疲弊していた。直接的な引き金と言えるのは、高市政権の人事。公明党を「がん」と言った麻生さんを副総裁にし、公明党の推薦を要らないとしている木原稔さんと小野田さんを、ことごとく重要なポストに起用しようとした。

公明党支持者への取材でも、「麻生さんが副総理になって、それから(不記載があった)萩生田さんが幹事長代行、公明党なんかどうでもいいやという人事にしか見えない」との声も聞かれた。

一方、ある公明党関係者は「本音では、高市政権が代われば連立に戻りたいと思っている」とも話す。

都道府県の幹部に行った調査でも、47のうち45が連立復活に含みを持たせている。

「政策、理念が一致すればありうるかもしれない(京都)」

「政策を実現することは重要であり、先々において自民党も含めその選択肢は様々ある(和歌山)」

未練もにじませながらの「決別」は、何かのきっかけで破綻する可能性を常にはらむ「連立政権の本質」を表しているのかもしれない。

連立の苦労を知る2人は、自民と維新の新たな連立をどう見ているのか。

池坊さん:
維新とあっという間に連立組んじゃった。そういう姿は、ちょっと危ういなという感じがします。国民のためにいい政治をするために、お互いに良い点を大切にしながら、進んでいきましょうという理念がないと。高市総理は正直言って誕生はあまり嬉しくなかったですが、一生懸命頑張ってらっしゃるなっていう気はします。

大島元衆議院議長:
連立というのは、違う党が国の政治全体に対する責任を負うという基本を忘れてはならない。信頼を重ねるしかない。
(「イット!」11月17日放送より)

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