奈良市で当時小学1年だった女の子が誘拐され殺害された事件からきょう=17日で21年です。女の子が通っていた小学校では、集会が開かれました。

2004年11月17日、奈良市の小学1年生だった有山楓ちゃん(当時7歳)が、下校途中に誘拐され殺害されました。

楓ちゃんが通っていた小学校では17日朝、命の大切さについて考える集会が開かれました。

【市立富雄北小学校・後藤誠司校長】
「当たり前のことが出来る、それは私たちが生きている証です」

また、楓ちゃんの父・茂樹さんが手記を寄せました。全文は、以下の通りです。

【有山茂樹さんの手記】

楓が被害に遭って21年がたちます。警察署で再会した楓の表情は今も忘れられません。今まで体験したこともない大きな衝撃でした。

楓が生きていれば28歳、どんな人生を歩んでいたのだろうかと想像します。看護師の仕事をしているか、他のやりたい事を見つけているかもしれない。友達と旅行に行ったり、もしかすると結婚して幸せな家庭を築いたりしているかもしれない。そんな想像の中でしか楓の成長した姿を思い浮かべることができません。

仲の良かった姉妹の笑顔や笑い声、夢や希望をかなえてやれなかった後悔はどれだけ時間が過ぎようとも頭の中から離れることはありません。

この21年間、前を向かなければならない、少しずつでも前に進んでいると思っていましたが、家族を守れなかった現実が私の中に重くのしかかり、前を向いているだけで一歩も進んでいないのだと改めて感じます。

子供達が被害に遭うことのない、このようなつらい思いを誰もすることのない、子供達の笑顔の絶えない安心・安全な社会が続くことを心より願います。

有山茂樹

関西テレビ
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