全国大会出場をかけた熱戦に密着しました。
『Ikenobo(いけのぼう)花の甲子園』の九州南大会が先日、熊本市で開催され、華道日本一を目指す高校生たちが競いました。
【開始前の円陣】
「フラワー、ファイト!」
『Ikenobo花の甲子園』は一般財団法人池坊華道会が主催するもので、全国12地区で地区大会が行われ、合わせて137チームが出場しました。
8月に熊本城ホールで開催された九州南大会には、熊本と鹿児島から合わせて9校が出場。3人1チームで、『〈はな〉をいかす』をテーマに、指定された15種類から選んだ花材と持ち込んだ花材で30分で1人1作品を制作します。
構成力、技術力、表現力、チームワーク、パフォーマンスなどが審査されました。
【会場アナウンス】
「30分間の生け込みでございますが、間もなく15分経過。残り15分となります」
大会の前、華道家元池坊青年部の池坊 専宗 代表から出場者にメッセージが贈られました。
「皆さんにぜひ、大切にしてもらいたいことが二つあります。一つは、いけばなで扱うお花はちゃんと生きていますよね。花びらや茎、葉っぱを触ると、〈どんな草花でも生きているんだなぁ〉といつも感じます。だから、自分の周りにいる大切な人にするのと同じように接してあげましょう。もう一つは、皆さんが自分で感じたことを大切にしてください。本番当日は、今までの練習と同じ花は用意されていませんし、その日の三人で生ける花は、その日だけのものです」
【生け込み終了の合図】
「これにて生け込み終了となります。素晴らしい作品が9チーム出来上がりました」
【鹿児島南高校の解説】
「ヒマワリが最後の一瞬まで光を受け止めて、輝いている姿を描いています」
続いて、3分以内でそれぞれの作品を解説します。
『〈はな〉をいかす』というテーマをどう解釈して作品に反映しているのか。
生け花をするようになって気づいたこと。
花と向き合う日々の中で大切にしている言葉。
作品に込めた思いをみんなに知ってもらおうと一生懸命、伝えました。
【済々黌高校の解説】
「余白を残すことや遊び心を取り入れることで花は生かされ、それぞれの人の感性の中に完成されるのではないでしょうか」
【熊本高校の解説】
「花を生ける行いには、日本の風土、自然環境の中で形成されてきた、美に対する繊細な意識が反映されています」
【鹿児島情報高校の解説】
「そんな生き生きとした姿をチーム一丸となって、個性を生かして、生けました」
【結果発表】
「九州南大会優勝、8番・熊本県立熊本高等学校。おめでとうございます」(拍手)
審査の結果、熊本高校が優勝しました。
【熊本高校 2年 華道部 山内 麻央 部長】
(めっちゃ泣いていましたね)
「〈自分が一番出来が良くないな〉と思ってしまったので、すごく不安で。優勝できたので良かったんですけど」
【熊本高校 2年 華道部 大塚 友理子さん】
「優勝できてうれしかったです。次も頑張ります」
【熊本高校 2年 華道部 安本 彩紀さん】
「すごくスムーズに行うことができたので、〈この1カ月ちょっとの成果が出た〉と思って、すごくうれしかったです」
熊本高校は11月16日(日)、京都市で開催される全国大会に出場します。