気象庁が2025年から「初霜・初氷」の目視観測を終了することが決定。アメダスなど観測技術の向上によって代替されるが、1952年以来、73年続いた伝統的な観測方法とは一体どのようなものだったのか。福島地方気象台を訪ね、その実態に迫った。
技術向上で目視観測が相次ぎ終了
気象庁がこれまで行ってきた初霜と初氷の目視観測。
目視観測とは、気象台の職員が実際に目で見て気象現象を確認すること。
しかし、観測技術の向上などから2020年2月4日以降、ほとんどの項目が自動観測に切り替えられた。(※東京・大阪を除く)
冬の目視観測に関しては、初冠雪・初霜・初氷・初雪があったが、初雪は2020年に自動化、初霜・初氷は2025年冬から終了し、残る冬の目視観測は吾妻山の初冠雪だけになった。
目視観測終了の理由
そもそも気象庁は、なぜ初霜・初氷を観測し、発表していたのか?福島地方気象台気象情報官の石井邦男さんによると「もともとは農業利用や、冬の情報として発表していた」という。
終了した理由には、気象観測技術の進歩があった。2025年4月から配信が始まったアプリ「デジタルアメダス」。気象レーダーや気象衛星などの最新の観測技術で、アメダスのない地点も推計で気象データを知ることができるようになった。
初霜・初氷の発表は、福島県内では福島市だけの観測データだったが、このアプリを使えば住んでいる地域ごとに「冬が来たな」「氷点下だな」と気象データを見て季節を感じることができるようになった。
直伝 気象庁の観測方法
冬の風物詩のひとつであった初霜・初氷の観測。気象データだけでは物足りない!ということで、実際にその観測方法を教えてもらった。
まずは「初霜の観測方法」
石井さんは「周辺の草に霜がつけば初霜と観測する」という。初霜の観測は、草の種類は問わずどの草に霜がついてもよいという。ちなみに、霜がおりにくい西日本では、黒いタイヤや炭、藁を設置して初霜を観測していた。
初氷 厚さは関係なし!
続いては「初氷の観測方法」
気象台では「貯水型蒸発計」とい容器で観測していたというが、石井さんによると「水が入れば容器に決まりはありません」とのこと。
容器に水を入れ、氷が張っていれば厚さに関係なく観測となる。
福島の初氷の平年は11月17日。皆さんも自宅で初霜・初氷の観測に挑戦してみては?
(福島テレビ)
