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帝人ソレイユ株式会社は障がい者雇用を目的に2020年から「Planet Hug Orchid(プラハグ)」のブランド名で胡蝶蘭の生産・販売を開始し、その高い品質が評価されて大手金融機関など200社もの企業から注文を得ています。当社は、事業の面では「ノウフク・アワード2021」(農林水産省など)、障がい者雇用の面では「もにす認定」(厚生労働省)という外部評価を得ただけでなく、贈答品としての「問題点の多い胡蝶蘭を再定義」も事業コンセプトに掲げて、新たに枯れた胡蝶蘭の回収・再利用サービスを通じたリサイクル・リユースにも取り組んでいます。障がい者雇用を目的とした事業の黒字化は難しいのが一般的ですが、当社の胡蝶蘭事業は創業当時から「黒字化を目指す!」を掲げ続けています。そんな胡蝶蘭事業の裏舞台での出来事をご紹介します。


<文> 帝人ソレイユ株式会社 取締役社長補佐(農業事業統括)鈴木崇之


引き取りサービスのある胡蝶蘭「プラハグ」: https://plahug.com/

帝人ソレイユ株式会社: https://teijin-soleil.co.jp/



2.サービス開始秘話(胡蝶蘭の回収・再利用サービスの背景)


胡蝶蘭の花言葉は、「幸せが飛んでくる」ーーー 贈って嬉しい胡蝶蘭は、もらって嬉しい胡蝶蘭であるはずです。


しかしながら、大企業の社長交代時のような多くの胡蝶蘭が贈られる機会には「もらったはいいけど、枯れた後が大変」というお困りごともよく耳にしていました。高級なお花であるからこそ贈答品としてとして定着しており、秘書部の方々のように受取り主が次の贈り手となることがよくあります。だからこそ、「いただいて困るもの(胡蝶蘭)を自分も贈る」ことに矛盾が生じます。


【写真】枯れた胡蝶蘭


実は、そのような訴えは、この胡蝶蘭事業をスタートした2020年の時点で、親会社である帝人株式会社の秘書室から真っ先に寄せられた「顧客の声」でした。もちろん、帝人株式会社の秘書室は、取引先の社長交代のようなお祝いの機会には必ず帝人ソレイユの胡蝶蘭を使ってくれます。立札には帝人CEO兼代表取締役社長の肩書・氏名が記載されるわけです。ですから、帝人株式会社の秘書の方々は、帝人ソレイユの胡蝶蘭の最も心あたたかな応援団であり、最も手厳しい顧客でもあります。


その後も彼女たち秘書の「胡蝶蘭は枯れた後が大変」の声を何度も耳にするにつれ、胡蝶蘭を贈り贈られる文化が今後も永続するのかとモヤモヤ自問自答することが増えていきました。このままでは贈答品としての胡蝶蘭が廃れてしまうのではないかという危機感が沸き上がってきたのです。障がい者雇用としての職場・事業がなくなってしまうという危機感が、回収・再利用サービスを検討する原動力となったのでした。


もう一つのお客様の声は、「せっかくいただいたお花を廃棄するのは心苦しい」「もういちど咲かせて再販売できないのか」というものでした。この声をどう受け取めて、どんな形でサービスとして成立させるのかーーーこの答えを出すまでに、3年以上かかりました。たとえば、どのような環境で管理されていたか分からない鉢の植物部分(茎や葉)を弊社の生産ハウスに持ち込むにはリスクが大きすぎます。ダニ、細菌、ウイルス、カビなど胡蝶蘭の病気等の原因になるものが混入すると、生産ハウスの胡蝶蘭が全滅してしまうこともあり得ます。また、回収・引取には配送コストや分別コストもかかりますが、何鉢も並んでいる中で自社品の鉢だけを回収・引取してもお客様のお困りごとの解決にはなりません。しかし、これらの鉢をすべて弊社のコストで回収すれば、何とか黒字化したいと日々奮闘中の弊社には重すぎるコスト負担になります。


【写真】枯れた胡蝶蘭


こうした難題に対して社内でカンカンガクガクの議論を重ね、ようやく2024年の年末、サービスの骨子が以下のように固まりました。


1.枯れた胡蝶蘭の鉢は、他社品も含めて回収・引取させていただく。

2.回収・引取業務は提携する配送業者に外注する。

3.回収・引取した鉢は弊社自社農場に持ち込み、そこで分別・焼却などの処理を行う。分別・焼却などの業務は、弊社のハンディキャップのある社員の業務とする。

4.胡蝶蘭を形成する各パーツは、できるだけ資源として活用する。

5.赤字にならない程度の単価設定で、有料サービスとする。


5の有料化については、すでに有料サービスを開始している他社を参考にしつつ、収支計算でトントンになるためのサービス単価を試算しました。このサービス自体で儲けるのではなく、できるだけお客様の負担を抑えつつ、赤字にならない単価を探ったのです。その結果、1鉢あたり税抜3,000円がギリギリの最小額であることが分かりました。


5の資源活用の詳細は、次のようになります。

① 鉢: スペックが合えば洗浄して再利用(リユース)

② 金属部分: 売却(リユース)

③ 植物部分: 焼却後の灰を畑の野菜づくりに活用(リサイクル)

④ その他: プラスチックなどは産廃として自治体の処理場に持ち込む


③については、弊社の我孫子農場では、農薬や除草剤を使わない野菜づくりを行っています。胡蝶蘭を焼却炉で燃やした結果として残る灰は、「草木灰」として畑の土壌改良剤または肥料として有効活用できますので、野菜の品質や収量の向上が期待できます。また、「廃棄するのが心苦しい」というお客様にとって、枯れた胡蝶蘭が野菜という新しい命として蘇る(再生産される)ことで、ちょっとした救いになれば嬉しいです。










【写真】焼却炉で燃える胡蝶蘭        【写真】「草木灰」として生かされる


ところで、本サービスのリリースに先立って、帝人株式会社の秘書部の方々に真っ先に報告したのは言うまでもありません。


「とても嬉しいです!」

「すごく踏み込んだ取り組みだと思います」

「顧客の皆さんに知ってもらうための効果的なPR活動をしたいですね」

「いま〇〇さん(役員の苗字)の部屋に枯れた胡蝶蘭が4鉢あるのですが、これもお願いできますか?」


と立て続けに好反応を得て、嬉しいというよりはホッとしたことを思い出します。なにせ彼女たちはとても厳しく正直な顧客ですので。


最後に ーーー この回収・引取サービスにより、ハンディキャップのある社員が担う、分別・焼却といった新たな業務が生まれます。このサービスは、お客様のお困りごとの解決(回収・引取)、資源のリユース・リサイクル、そして障がい者の雇用創出という3つのメリットがあるのです。胡蝶蘭の生産にとどまらない、弊社の循環型の取り組みとして知っていただけますと嬉しいです。



【参考リンク: マイナビ農業web取材記事】

https://agri.mynavi.jp/2025_09_25_378098/

資源循環で胡蝶蘭文化をサステナブルに

帝人ソレイユ、国内初の「胡蝶蘭回収・再利用サービス」を開始


【回収・再利用サービスの動画】

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