静岡県焼津市が誇る一大観光スポット・焼津さかなセンターは開業40周年を迎えた中で移転計画が浮上している。一体なぜなのだろうか?

県内有数の観光スポット

威勢の良い声が飛び交う焼津さかなセンター。

焼津さかなセンター
焼津さかなセンター
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敷地内には40を超える店が軒を連ね、新鮮な魚介類や珍味を買い求めることができる。

開業は今から40年前の1985年。

当初から県内外の人でにぎわいを見せ、静岡県焼津市が誇る一大観光スポットとなっている。

ただ、近年は大型バスを利用した団体旅行やツアー客の減少に伴い、来場者数は120万人あまりと最盛期から半減。

施設の老朽化対策が急務に

さらに、いま悩みの種となっているのが施設の老朽化だ。

雨漏りや排水設備の故障などトラブルが発生するたびに対応する状況が続いていて、運営する焼津水産振興センターの中澤正人 社長は「やはり今年の猛暑(の影響)でなかなか冷風がうまく効いていない。いろいろな形で構造も直していかなければならない」と口にし、出店者も「吹きさらしの所なんてない。小さい市場ならあるけれど、これだけ大きな施設でお客さんが来てくれるところなので、もう少しきれいにして(ほしい)」とこぼす。

もちろん、運営会社もリニューアルを検討してきたが、そのためにはすべての店舗が長期間休業を余儀なくされることから同意を得るのは簡単ではなく、実現することなく現在に至っている。

移転候補地は焼津港の近く

そこで浮上したのが新たな場所へと移転し、建物を新築する案だ。

中澤社長は「中断期間を少なくしながら、新たな魅力を持った新たな場所でパワーアップしていきたいと私たちは考えている」と移転への意欲を示す。

候補地は、焼津港の目の前にある市所有の遊休地。

国の方針に沿って焼津港の再生や観光振興など、にぎわいの創出に取り組んでいる焼津市だが、さかなセンターに店を構える人たちが、もろ手を挙げて移転に賛成しているわけではない。

ある出店者からは「地震も最近多いし、直して直してという部分・部分だけだったので、(移転・新築は良いが)立地面はインターに近く、この場所がいい」と話せば、別の出店者は「リニューアルより塗り替えや耐震設備を強化すれば、この場所の方が有名なのでこのまま継続していきたい」と本音をのぞかせる。

移転開業への道のりは…

いまのところ移転が正式に決まったわけではないが、運営会社は12月22日まで新たな施設の整備に向けた事業パートナーを公募していて、今後はパートナー企業と連携し、各店舗側のニーズや思いを丁寧に聞き取った上で具体的な計画を検討していく方針だ。

運営会社によれば、移転が決定しても開業は2年半から3年後。

日本有数の港町を象徴する“さかなセンター”がどうなるのか…議論の行方が注目されている。

(テレビ静岡)

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