クマの目撃が相次ぐ中、東京都内でもクマの講習会が開催された。
専門家は、クマ鈴の効果についても説明した。
また、イット!がクマ被害を時間別にグラフにしてみると、特に多い時間帯があることがわかった。

専門家「冬眠状態に入っても、途中で出てくる可能性ある」

住宅の玄関に現れたツキノワグマ。

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東京・あきる野市で、捉えられた映像。

東京都内でも、クマの目撃が相次ぐ中、遭遇する危険な時間帯があることがわかった。

東京都が公開している「Tokyoくまっぷ」。クマの痕跡や目撃情報などを確認することができる。

日の出町でも、連日、クマが目撃されている。

記者リポート:
こちらではツキノワグマ防除対策講習会が開かれています。

11日、町では専門家を招いてクマの講習会を開催。

一般社団法人・セルズ環境教育デザイン研究所  西海太介 代表理事:
長野で森に立ち寄ってクマの糞を見つけてきました。私が見つけた時は午前10時くらいだったんですけど、新しいんです。ということは、もしかすると半径数100m、500m前後くらいにクマがいたかもしれない。これも1つの事故予防ですよね。クマが近くにいる可能性があれば、そこは控えた方がいいという考えに繋がる。

クマの糞や、木に残された爪の痕、足跡などクマの痕跡に気づくことで遭遇する確率を下げることができるという。

また、講習会の参加者に配布された“クマ鈴”の効果についても説明。

一般社団法人・セルズ環境教育デザイン研究所  西海太介 代表理事:
(クマ鈴は)本当に効果あるの?と思いながら来られた方もいらっしゃるかもしれない。人からご飯もらえますと覚えてしまったクマは、(クマ鈴で)寄ってくる可能性は無いとは言わないですけど、そういう一部のクマのために、あえて音を出さないっていうのは、私は逆に突発的な遭遇をしてしまった時を考えると怖いので、音を立てる方がやはり事故の予防に繋がると考えています。

クマは学習能力が高いため、人間と食べ物を関連付けて覚えさせないよう、食べ物やゴミの保管などに注意することが重要だという。

一方、参加者から、クマの冬眠について質問が出ると…。

一般社団法人・セルズ環境教育デザイン研究所  西海太介 代表理事:
一度冬眠状態に入っても、途中で出てくることが可能性としてある。子どもがいるメスのクマだと、人が近づいて来た場合に警戒して襲ってくるということも、場合によっては可能性としてあると言われていて、冬だからといって絶対安全というわけではない。

参加者からは…。

参加者:
予備知識として知っておいた方が絶対いいと思って参加しました。

参加者:
クマが出る地域から来ました。鈴は効果があると、つけるべきであるってことを聞けて本当によかったです。

イット!がクマ被害を時間別にグラフにしてみると…

連日、相次ぐクマ被害。

宮城県の仙台高等専門学校では11日、敷地内でクマが目撃され、臨時休校となった。

記者リポート:
クマはこちらの崖を勢いよく降りてきて、体育館のそばを駆け抜けて行きました。

敷地内でのクマの目撃を受け、学校は14日まで学生の登校を禁止して、オンライン授業などを実施するとしている。

クマが目撃されたのは、11日午前6時半ごろだという。

さらに、12日に岩手・八幡平市で犬の散歩をしていた男性がクマに襲われた。
この時間も、早朝の午前6時15分ごろ。

イット!が、10月から11月11日までの、クマによる被害を調査し、時間別にグラフにしてみると、1日を通して被害はあるものの、午前6時から8時が特に多い傾向にあることがわかった。

岩手大学農学部・山内貴義准教授:
(クマは)日中でも普通に出歩くと、最近の研究でも分かっているんですが、やっぱり日中だと市街地であれば人と遭遇する確率が高くなる。人と接触するのは嫌がるので、早朝に非常に活発化するので、そこでたまたま人間も起き始める時間、人間とコンタクト(遭遇)する確率が高くなる、そういう結果だと思います。
(「イット!」 11月12日放送より)