外国人観光客に対して価格を高く設定する「二重価格」。
オーバーツーリズム解消に向けて、各所で導入する動きが広がっている。
ただ、この「二重価格」をめぐり、大阪の人気ラーメン店で外国人観光客とトラブルに発展した。
外国人客が「返金しろ」
食欲をそそる、濃厚なスープ。

豚骨醤油スープが特徴の、いわゆる“家系ラーメン”。

寒い時期は特に食べたくなるが、大阪市で人気の家系ラーメン店で起きた“価格”を巡るトラブルが波紋を呼んでいる。

我道家ラーメン・新井悠介氏:
中国人の方がスペシャルラーメンを注文して召し上がってくれた。食後、急に怒りだして「返金しろ」と。30分くらいはラーメン作れない状況だった。
原因となったのは、外国人観光客と日本人の価格を別々に設定する、いわゆる“二重価格”。

我道家ラーメン・新井悠介氏:
日本語が分かる方、日本語が分からない方で、商品が変わることを最初の券売機で記載しています。

店で出しているラーメンは、日本語表記の場合は約1000円だが、英語表記で選べるラーメンは2000円前後。

店長によると、2つのラーメンは同じではなく、味付けや具材を外国人向けにした特別なメニューだという。
ところが、1月4日に外国人観光客が2000円前後のラーメンを食べたあと、差額を返金しろと要求。これに店側は…。

我道家ラーメン・新井悠介店長:
そもそも商品が違うもので、「返金できません」と伝えても帰ってくれなかった。警察を要請しますと伝えたところ、態度が一変して、謝罪して帰って行った。
世界の観光地などでも二重価格
外国人観光客の数が過去最多を更新する中、日本でも議論が進む二重価格。

世界の観光地を見てみると、エジプトの「ギザの三大ピラミッド」は、外国人料金が日本円で約2300円。エジプト国民の10倍以上の価格になっている。

さらに、来館者数が世界最多のフランス・ルーブル美術館は1月14日から二重価格を導入し、EUなどのエリア外から来た人の入館料を45%引き上げると発表した。

日本では、2025年に沖縄にオープンしたテーマパークが一般料金は8800円としつつ、国内在住者向けは2000円近く安く設定している。

さらに、東京、京都、奈良、九州にある国立博物館や美術館など全国11カ所の国立施設でも、外国人料金の導入を検討する動きが出ている。

一方、飲食を巡っては、東京・渋谷の海鮮バイキング店が二重価格を導入。
「学割」や「シニア割り」と同じ仕組みで、平日ランチの価格を、日本人や在日外国人の場合は1100円安く提供している。
そうした中、今回、大阪市のラーメン店で発生した外国人観光客との“二重価格”を巡るトラブル。

しかし店長は、そもそも日本人に出すメニューと、外国人に出すメニューは別物だと説明している。

我道家ラーメン・新井悠介氏:
(外国人向けは)いろんな醤油をブレンドして、しょっぱくなりすぎないような醤油(スープ)を別で作っている。手間と時間は(日本人向けより)倍以上かかっています。
うちが導入している二重価格が浸透すれば、日本人のお客様に還元できたらと思って(二重価格を)続けていきます。
ラーメン店で起きたトラブルについて、専門家はこう話す。

観光業に詳しい木曽崇さん:
一番重要なのは、事前に明確な告知をすることだと思います。
また、二重価格を導入する上で、トラブルになりにくいポイントがあるという。

観光業に詳しい木曽崇さん:
特定のカテゴリの人を値上げするという表現ではなくて、特定属性の人を値下げするっていうような表現にする方が心理的なストレスが少ないんですね。諸外国取り組みでは、ほとんどが値下げを受ける側が自分の身分を証明する仕組みの中で成り立っています。
世界で広がりを見せる“二重価格”。日本でも当たり前となる日がくるかもしれない。
(「イット!」 1月8日放送より)
