教育現場へのオンラインの導入は「読書」の分野にも。オンラインのメリットが、ある本の人気を押し上げているという。

■村の小学校のオンライン読書
福島県昭和村の昭和小学校の休み時間、子どもたちはオンライン読書に夢中だ。
児童は「はたらく細胞の本を見ていました」「マルコポーロの本を読みました」と話す。書店がない昭和村では、電子書籍を紙の本と同じように貸し出す「電子図書館」を2年前から採用している。
インターネットさえ繋がれば利用できる「電子図書館」は、全国で普及を拡大していて、約600の自治体が導入。村の電子図書館の蔵書は、小学校の図書室よりも4千冊ほど多く、本との出会いのチャンスにもなっている。

■意外な人気!村の水害資料
そして意外な人気も。昭和村教育委員会の五十嵐正富主査は「昭和44年に村内で発生しました水害の記録をまとめた資料、こちらが昨年一番読まれた書籍となっています」と話す。
この1年で最も読まれたのは過去の水害の記録をまとめた「災害復旧の歴史」。ベストセラーを差し置きトップとなったこの資料、今のところ原本は1冊のみで、貴重な資料でも気軽に貸し出せる電子図書館だからこその人気なのかもしれない。
五十嵐主査は「昭和村の電子図書館でないとこの本は読むことができないので、その辺りのレア感が利用者に好評いただいたのかなと」と話した。

■電子図書館が学びに一役
「大水だ~逃げろ~」「ええ」この日、昭和小学校の子どもたちが取り組んでいたのは、文化祭で発表する劇の練習。村の歴史について、電子図書館を利用して自分たちで台本を作ったということで、子どもたちの学びにも電子図書館が活躍している。
児童は「教室で調べているときに一番使いやすいし、調べられる本も多いのでそこがメリット」と話した。

11月9日までの読書週間、オンラインも活用しながら「読書の秋」にしてみてはいかが。

福島テレビ
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