患者数が非常に多い慢性のアレルギー性結膜炎。佐賀大学などの研究グループが、世界初の“分子治療薬”の開発に取り組むと発表しました。

【佐賀大学医学部 出原賢治特任教授】
「まだ分子標的薬自体が存在しない。そういう意味ではこの領域においては非常に期待できる化合物ではないかと自負もして、これから研究を進めてぜひ患者へ届けられるようにしたい」

この研究は佐賀大学医学部の出原賢治特任教授や富山大学、日本大学が共同で取り組んでいるものです。
慢性のアレルギー性結膜炎は患者数が非常に多く、目のかゆみや異物感があり悪化した場合は失明のおそれもあります。
元々、研究グループは“アトピー性皮膚炎”のかゆみの原因を防ぐ治療薬「CP4715」の開発を進めていました。

今回、この治療薬を慢性のアレルギー性結膜炎を発症したマウスに投与したところ、症状の改善を発見したということです。
慢性のアレルギー性結膜炎は現在、ステロイドの薬などが使われていますが、副作用が問題となっていました。

【佐賀大学医学部 出原賢治特任教授】
「ピンポイントで、ある分子だけを抑えると、比較的副作用を回避できるという利点がある」

研究グループは今後、特定の分子のみに作用する世界初の“分子治療薬”の開発を目指すとしています。

サガテレビ
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