長野県小谷村のスキー場ではかつて「羊」を飼っていてグリーンシーズンに「ラム肉祭り」を行っていました。再びあの時のにぎわいを。隣接するホテルは今年、「祭り」を30年ぶりに復活させ客を呼び込もうとしています。

焼かれているのは羊の肉・「ラム肉」です。

白馬村から:
「おいしい」

ここは小谷村の白馬アルプスホテル。10月25日から「令和のラム肉祭り」と銘打ち、期間限定で提供しています。

紅葉狩りで訪れた夫婦は―。

白馬村から:
「めっちゃ肉もやわらかくて、おいしかった」
「全然臭みもなくて、おいしかった。こんな景色の中で食べられて幸せでした」

小谷村で「ラム肉祭り」?意外な気もしますが、かつて地域の「名物イベント」として親しまれていました。

こちら34年前の村の官報。数十頭の羊が写っています。当時、ホテルに隣接する白馬乗鞍温泉スキー場では、グリーンシーズンのゲレンデで観光協会が中心となって30頭ほど飼育していました。

毛をセーターなどの製品にしていた他、「食肉」にして秋に「ラム肉祭り」を開き地域住民や訪れた人などに振る舞っていました。

白馬アルプスホテル・宮嶋浩司さん:
「私自身も小さい頃になるんですが、ラム肉祭りに出席して食べた記憶があり、ものすごくおいしいお肉を食べた記憶があって、ゲレンデを使って放牧して、元気な羊を育てて、ラム肉を地元の人たちに味わってもらおうとお祭りをやっていたと聞いています」

「ラム肉祭り」は誘客にもつながっていましたが、後継者不足や飼育の手間などからいつの間にか羊の放牧は行われなくなり、「祭り」も途絶えました。

それから約30年―。

ホテルは、グリーンシーズンの誘客策の一つとして、2024年、スキー場に「白馬乗鞍ゲレンデ牧場」をオープン。再び、サフォーク種の羊2頭を飼い始めました。

また、ジャージー牛3頭も飼育しています。

無料の餌やり体験が人気で、牛乳はレストランでも提供しています。

白馬アルプスホテル・宮嶋浩司さん:
「ファミリールームを利用するきっかけになったりとか、お客さんからは好評です」

そして、今年「ラム肉祭り」も復活させました。

飼育している羊ではありませんが、プレーンタイプと地元の店の塩こうじで漬けた2種類の肉を用意しました。

記者が「塩麹」を試食―。

(記者リポート)
「塩こうじに漬けることによって、さらにやわらかさが増しています。お肉本来の甘味やうま味を引き立てていて、とてもおいしいです」


約30年ぶりに復活した「令和のラム肉祭り」は、11月9日まで開催。ホテルでは今後も「祭り」を続け、可能ならば飼育する羊も増やしていきたいということです。

白馬アルプスホテル・宮嶋浩司さん:
「羊に触れあっていただきながら、おいしいラム肉を食べてほしい。豊かな自然という観点では昔も今も変わらないと思うので、いかにそこを生かして来場されるお客さまに楽しんでもらいながら、新たな体験をしていただく所をどんどん増やしていきたい」

長野放送
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